IoTを活用した灯油メーター自動検針の実証実験開始
エア・ウォーターと愛知時計電機は共同で、灯油配送業務の効率化を図るとともに顧客へ安心感を提供することを目的に、2018年7月1日よりIoT技術を活用した灯油メーター自動検針の実用化に向けた実証実験を、北海道札幌市で開始する。
エア・ウォーターのエネルギー関連事業は、国内LPガスの草創期より60年以上にわたりエネルギー供給を行い、北海道・東北を中心に、全国約 25 万軒の顧客に、LPガスや灯油を「ハローガス」ブランドで展開しています。
愛知時計電機は、1898年の創業時より時計製造で培った精密加工技術をベースに、基盤事業である水道メーター、ガスメーター製造を通じて得た流体計測技術をコアに据えて、ユニークなセンサーとシステムおよびサービスを提供している。
寒冷地では、家庭・施設ごとに灯油タンクを屋外に設置し、灯油ローリー車が顧客先まで配送し給油することで灯油を届けている。灯油配送業務においては、ドライバー不足やドライバーの高齢化が進む中、タンクの灯油残量を事前に把握して計画的に配送することが難しく、灯油残量の可視化が喫緊の課題となっていた。
こうした課題を解決するため、「ハローガス」ブランドで灯油ビジネスを展開するエア・ウォーターと、寒冷地の集合住宅で使用される燃料油の計測に最適な「灯油メーター」を取り扱う愛知時計電機とが共同し、IoT技術を活用した灯油メーター自動検針の実証実験を開始するもの。
今回の実証実験では、北海道札幌市内の集合住宅1棟を対象に、各戸に灯油メーターを取り付け、これをNCU(Network Control Unit)に接続し、LPWA(Low Power Wide Area)の通信規格のひとつである「Sigfox」を利用して、灯油メーターから検針値をクラウド上にアップロードする。
検針値から推定した残量レベルと実際の残量を比較することで、残量監視の精度を確認。また、検針値とともに提供される電波強度や通信品質の指標を評価することで、無線通信の信頼性評価を行う。
こうした仕組みによる灯油残量レベルの把握は、一般家庭向けの燃料業界では初めての取り組みで、さらに検針コストや配送合理化等による業務コストの削減効果についても、検証する。
本実証実験において、愛知時計電機では、IoTを活用した灯油メーター自動検針システムを構築し、灯油切れの未然防止と配送効率化を実現するデータサービスの提供を目指す。エア・ウォーターは、共同でのシステム開発により、灯油販売事業者の配送課題解決ならびに顧客へより高い安心感と快適なくらしを提供する。
【 Sigfox】
世界45カ国(2018 年 3 月末)で展開する、低価格、省電力、長距離伝送を特長としたグローバルIoTネットワーク
【実証実験の概要】
○対象地域:北海道札幌市
○対象期間:2018年7月1日~2019年6月30日(予定)
○実施者 :北海道エア・ウォーター株式会社※、 愛知時計電機株式会社
○実験内容:LPWA(Sigfox)を利用した、灯油メーター検針データの送受信
※北海道エア・ウォーター:エア・ウォーターが 100%出資する地域事業会社
【会社概要】
・エア・ウォーター株式会社
設立:1929年9月
本社所在地:大阪市中央区南船場2丁目12番8号
本店所在地:札幌市中央区北3条西1丁目2番地
代表者:代表取締役会長・CEO 豊田 昌洋
主な事業:産業ガス、ケミカル、医療、エネルギー、農業・食品、物流、海水、エアゾール他
資本金:322億63百万円(2018年3月末)
従業員数(連結):14,265人(2018年3月末)
業績(連結):売上高 7,535億59百万円 経常利益 446億91百万円(2018年3月期)
・愛知時計電機株式会社
設立:1949年6月(創立:1898年7月)
本社所在地:名古屋市熱田区千年一丁目2番70号
代表者:代表取締役社長 星加 俊之
主な事業:ガス・水道関連機器、各種センサー・システム
資本金:32億18百万円(2018年3月末)
従業員数(連結):1,879人(2018年3月末)
業績(連結):売上高 472億75百万円 経常利益 38億67百万円(2018年3月期)