岩谷産業 2021年3月期第1四半期連結決算

産業ガス・機械事業は売上高387億8700万円(前年同期比66億3400万円の減収)、営業利益16億0800万円(同5億9600万円の減益)

 岩谷産業の2021年3月期第1四半期連結決算は、売上高1389億5300万円(前年同期比15.7%減)、営業利益29億4000万円(同46.0%減)、経常利益41億0100万円(同35.5%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益28億9900万円(同26.7%減)となった。

 新型コロナウイルスの影響により、工業分野を中心に主力商品の販売が減少したが、在宅率の上昇を背景に消費者向け商品の販売が増加した。また、LPガス輸入価格の下落に伴い、販売価格が下がるとともに、相対的に高値の在庫を販売することとなり、23億70百万円(前年同期比25億69百万円のマイナス)の減益要因が発生した。

 LPガス事業については、独自のIoTプラットフォーム「イワタニゲートウェイ」の構築に向けて、ガスメーターや警報器のメーカーと関連機器の量産化への取り組みを開始するとともに、全国での高齢者見守りや緊急時の駆け付け等について、警備保障会社との業務提携を決定した。高齢化や過疎化等地域が抱える様々な社会課題の解決に向けて、新しい事業・サービスを提供する。

 水素エネルギー社会の実現に向けては、安定供給体制の強化を目的として、株式会社ハイドロエッジにおいて液化水素製造能力を1.5倍に増強した。また、持続可能な社会の実現に向けては、環境負荷の少ない効率的なプラスチック再資源化事業の確立を目指して、プラスチックのバリューチェーンを構成する12社の共同出資に参画し、株式会社アールプラスジャパンを設立した。

 セグメント別の業績は次の通り。

【総合エネルギー事業】

 総合エネルギー事業は、LPガス輸入価格の下落に伴い、LPガスの販売価格が低下した。また、家庭用LPガスの販売は増加したものの、業務用・工業用LPガスの販売が減少し、減収となった。利益面については、カセットこんろ・ボンベの販売が好調に推移したものの、LPガスの市況要因(前年同期比25億69百万円のマイナス)により減益となった。
 売上高は611億60百万円(前年同期比133億84百万円の減収)、営業利益は6億80百万円(同20億4百万円の減益)。

【産業ガス・機械事業】

 産業ガス・機械事業は、エアセパレートガスは自動車関連業界および光ファイバー業界向けの販売が減少し、機械設備についても顧客の設備投資の順延等から売上が減少した。ヘリウムについては、海外での販売が増加し、増収となった。水素事業は、液化水素や水素関連設備の販売が伸長した。
 売上高は387億87百万円(前年同期比66億34百万円の減収)、営業利益は16億8百万円(同5億96百万円の減益)。

【マテリアル事業】

 マテリアル事業は、国内でのミネラルサンドや、エアコン向け金属加工品の販売が減少した。一方で、海外のミネラルサンド事業は、前期に鉱区を買収したことにより売上が増加したことに加え、付加価値の高い低環境負荷PET樹脂や機能性フィルムについても販売が伸長した。二次電池材料については、市況が下落したことにより減収となったが、国内外で販売数量は増加した。
 売上高は325億22百万円(前年同期比45億91百万円の減収)、営業利益は11億1百万円(同98百万円の増益)。

【自然産業事業】

 自然産業事業は、外食および給食業界向け冷凍食品の販売が減少した。また、種豚の出荷は増加したが、農業設備の販売は減少した。
 売上高は55億24百万円(前年同期比11億60百万円の減収)、営業利益は35百万円(同2億22百万円の減益)。

【その他】

 売上高は9億58百万円(前年同期比24百万円の減収)、営業利益は2億45百万円(同5百万円の減益)。