日本海水の「赤穂第2バイオマス発電所」が営業運転を開始

再生可能エネルギー利用でCO2削減、地域の林業振興等に寄与

 エア・ウォーターグループの株式会社日本海水(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:西田 直裕)は、2021 年1 月2 日より、同社赤穂工場(兵庫県赤穂市)に建設中の赤穂第2バイオマス発電所の営業運転を開始した。本営業運転により、エア・ウォーターグループが運営する大規模な木質バイオマス発電所は計 3 箇所となり、最大発電出力は計15.85 万kW となる。

 日本海水は、製塩業界におけるリーディングカンパニーとして、家庭用から業務用まで年間40 万トンを生産しており、製塩工程で大量の電力を使用するため、従来から発電設備を保有している。2015 度には固定価格買い取り制度(FIT)の活用及び CO2削減や雇用創出など社会貢献を勘案して、同社赤穂工場内に木質バイオマス発電所(第1バイオマス発電所)と天然ガスボイラを建設し、本格的に電力事業に参入した。

 2017 年7 月には、電力事業のさらなる拡大を目指し、赤穂第2バイオマス発電所の建設に着工。未利用材の不足が予想される中、樹皮等の山林資源の一層の活用を図るとともに、PKS ※1の割合が増えることを考慮し、様々な原料の燃焼に対応した。また、第2バイオマス発電設備の燃料調達と保管場所確保のため、第2木質チップ工場も併せて建設した。

 今回の営業運転開始により、間伐材等の山林放置木の一層の活用による関西・九州地区の自然環境保護や再生可能エネルギーの利用による CO2の削減効果(11 万トン/年)※2など環境改善に資するとともに、地域の林業・木材産業振興、赤穂市における雇用創出など地域活性化に貢献する。

 エア・ウォーターグループでは、あらゆる環境下でも安定して事業を継続するために自前で電力を調達できるベース電源の確保はもとより、今後も地産地消型の再生可能エネルギーによる電力事業を推進し、SDGsの達成、ならびに温室効果ガス排出ゼロを目指し、脱炭素社会の実現に貢献するとしている。

※1:Palm Kernel Shell。パームヤシの殻の部分、パーム油を生産する過程で発生する農作物残渣
※2:関西電力(株)より公表されている「平成 27 年度 CO2排出係数の報告について」を用いて算出し、関西電力の発電量の一部をエア・ウォーターの第2バイオマス発電所の送電量に置き換えた場合として試算。

赤穂第2バイオマス発電所 設備概要

(1)最大発電出力:30,000kW
(2)燃料使用量 :235,000 トン/年(燃料:PKS、樹皮、間伐材他)

株式会社日本海水 会社概要

(1)本社: 東京都千代田区神田駿河台4 丁目2 番5 号
(2)代表者: 代表取締役社長 西田 直裕
(3)売上収益: 303 億円(2020 年3 月期、連結)
(4)事業内容: 塩事業、環境事業、食品農業事業、電力事業
(5)従業員数: 698 名(2020 年3 月末現在、連結)

(参考)エア・ウォーターグループの再生可能エネルギーによる電力事業(発電所)

発電所名運転開始発電能力
日本海水 赤穂第1バイオマス発電所(兵庫県赤穂市)2015 年4 月約1.65 万kW
エア・ウォーター&エネルギア・パワー山口
木質バイオマス・石炭混焼発電所(山口県防府市)
2019 年7 月約11.2 万kW
エア・ウォーター&エネルギア・パワー小名浜
木質バイオマス専焼発電所(福島県いわき市)
2021 年4 月
(予定)
約7.5 万kW
日本海水TTS苅田パワー
木質バイオマス発電所(福岡県京都郡苅田町)
2023 年10 月
(予定)
約5 万kW