日本酸素HD 2022年3月期第2四半期連結決算(IFRS)

欧州や米国を中心に経済回復、セパレートガス(酸素、窒素、アルゴン)の出荷数量が大きく増加

 日本酸素ホールディングス(日本酸素HD)の2022年3月期第2四半期連結累計期間の決算(IFRS)は、売上収益4473億7400万円(前年同期比16.4%増)、コア営業利益498億4400万円(同35.7%増)、営業利益497億9900万円(同35.8%増)、親会社の所有者に帰属する四半期純利益342億9100万円(同63.3%増)となった。通期業績予想と配当金予想は前回予想から変更は無い。

 グループの事業環境は、前期に続き新型コロナウイルス感染症の収束の見通しは立っていない状況であるが、欧州や米国を中心に経済回復がみられ、セパレートガス(酸素、窒素、アルゴン)の出荷数量は、前期に比べて大きく増加した。当第2四半期連結累計期間での新型コロナウイルス感染症による業績への影響は、売上収益及びコア営業利益に前期ほどのマイナスの影響は受けていない。一部の事業活動への影響は継続しているものの、グローバル各極においては、セパレートガスの安定供給体制を維持した。

セグメント業績

セグメント利益はコア営業利益で表示。

① 日本ガス事業

 産業ガス関連では、主力製品であるセパレートガスの売上収益は、全般的に関連業界での生産活動が回復し、前期に比べ大きく増加したことに加え、LPガスでは出荷数量が減少したものの、仕入価格が大幅に上昇したことで販売単価も上昇し、増収となった。また、エレクトロニクス関連での電子材料ガスの販売は堅調で増収。機器・工事の産業ガス関連では、医療向け関連機器の販売が好調で、エレクトロニクス関連も、前期に比べ増収となった。
 売上収益は、1732億0400万円(前年同期比 9.0%増加)、セグメント利益は、139億9100万円(同 20.4%増加)。

② 米国ガス事業

 産業ガス関連では、主力製品であるセパレートガスの売上収益は、バルクガスを中心に生産活動の回復により、大きく増加した。また、炭酸ガスの販売も好調だった。機器・工事では、前期に需要が冷え込んだ溶接・溶断関連機材が回復し、大幅に増収。また、エレクトロニクス関連での売上収益も増加した。
 売上収益は、1073億7300万円(前年同期比 17.7%増加)、 セグメント利益は、141億0300万円(同 46.9%増加)。

③ 欧州ガス事業

 前期は新型コロナウイルス感染症の拡大による深刻な影響で、主要地域となるイベリア、ドイツ、イタリアでは、生産活動全般で停滞が生じたことにより、全般的に需要は大きく落ち込んだが、前期の後半から徐々に回復基調が続き増収となった。
 売上収益は、949億0100万円(前年同期比 26.8%増加)、セグメント利益は、127億1500万円(同47.4%増加)。

④ アジア・オセアニアガス事業

 産業ガス関連では、関連業界での生産活動が回復したことで、主力製品であるセパレートガスの売上収益は増加した。主に豪州地域での販売が多くを占めるLPガスでは、仕入価格の上昇による販売単価の上昇と出荷数量が堅調に推移し、増収となった。エレクトロニクス関連では、東アジアでの電子材料ガスの売上収益は横ばいとなった。機器・工事では、産業ガス関連で増収。
 売上収益は、589億1700万円(前年同期比21.8%増加)、セグメント利益は、66億4600万円(同25.4%増加)。

⑤ サーモス事業

 サーモス事業は、日本では、ケータイマグやスポーツボトルの出荷数量が前期から回復し、売上収益は大きく増加した。また、自宅で過ごす時間の長い新たなライフスタイルが浸透したことに関連し、前期に続き、フライパンやタンブラーの販売数量は増加。海外では、販売地域での景気回復により出荷数量は増加した。
 売上収益は、128億6900万円(前年同期比 16.6%増加)、セグメント利益は、29億8100万円(同 42.1%増加)。