日本酸素HD 2025年3月期第1四半期連結決算(IFRS)
国内のセパレートガス出荷量は微減、炭酸ガスは前期並み、電子材料ガスは軟調に推移
日本酸素ホールディングスの2025年3月期第1四半期連結決算は、売上収益3292億7400万円(前年同期比6.6%増)、コア営業利益483億5500万円(同18.7%増)、営業利益479億7900万円(同17.8%増)、親会社の所有者に帰属する純利益290億8500万円(同18.4%増)だった。通期業績予想と年間配当金予想に修正はない。
主力製品であるセパレートガス(酸素、窒素、アルゴン)の出荷数量は、前期比で増加したが、グループ全体での製商品需要は軟調だった。また、一部の主要な地域では、セパレートガスの製造原価に多く占める電力コストが前期比で減少した。グループ全体としては、コスト上昇による販売価格への転嫁等の価格マネジメント、地域ごとの生産性向上プログラムに取り組んだ。
為替の影響は、期中平均レートが前年同期に比べ、米ドルで139円63銭から158円24銭へと18円61銭(同13.3%増加)の円安、ユーロで151円89銭から170円8銭へと18円19銭(同12.0%増加)の円安となるなど、売上収益は全体で約241億円、コア営業利益は全体で約36億円多く表示されている。
セグメント業績
セグメント利益はコア営業利益で表示
日本
産業ガス関連では、セパレートガスの出荷数量は微減、炭酸ガスは前年同期並み。また、電子材料ガスの出荷数量は軟調だった。機器・工事では、産業ガス関連、エレクトロニクス関連共に、中大型案件の工事の進捗に伴う売上等により、増収となった。一方、前期の特定顧客向けにオンサイト供給を担う子会社のジョイント・オペレーション化及び民生用LPガス事業を担う子会社の非連結化による減収影響があった。
売上収益は1009億1600万円(前年同期比6.2%減)、セグメント利益は115億6700万円(同 2.9%増)。
米国
産業ガス関連の売上収益は、セパレートガスの出荷数量が堅調に推移したことや、価格マネジメントの効果により、増収。機器・工事では、産業ガス関連、エレクトロニクス関連とも販売が軟調だった。
売上収益は926億0100万円(前年同期比12.9%増)、セグメント利益148億0800万円(同32.3%増)。為替影響は売上収益で109億円、セグメント利益で15億円のプラス。
欧州
産業ガス関連の売上収益は、セパレートガスの出荷数量が堅調に推移したことや、価格マネジメントの効果により、増収。機器・工事では、ガス関連機器及び医療関連機器の販売が好調で増収となった。
売上収益は850億3900万円(前年同期比16.3%増)、セグメント利益166億4400万円(同26.6%増)。為替影響は売上収益で87億円、セグメント利益で16億円のプラス。
アジア・オセアニア
産業ガス関連では、セパレートガスの出荷数量は堅調に推移した。主に豪州地域での販売が多くを占めるLPガスでは、販売数量が堅調に推移し、売上収益は増収。エレクトロニクス関連では、東アジアで、客先の稼働状況の影響で、電子材料ガスの出荷数量は軟調だった。
売上収益は424億2800万円(前年同期比10.3%増)、セグメント利益は43億2500万円(同4.8%増)。為替影響は売上収益で41億円、セグメント利益で4億円のプラス。
サーモス
日本では、ケータイマグの販売は堅調で、機能的でスタイリッシュなデザインの新製品の上市もあり、売上収益は増加した。また、海外での販売は軟調。セグメント利益は、販売費及び一般管理費、円安に伴う製造コストの増加により、減益となった。
売上収益は82億6400万円(前年同期比9.0%増)、セグメント利益は12億4100万円(同13.0%減)。