大陽日酸、ヘリウム製品の追加出荷制限

ロシア新ソースは、天然ガスプラント火災で稼働開始を延期

 大陽日酸は、各種ヘリウム製品について、2022年4月より追加で出荷制限を行う。対象となる製品は、 ① ヘリウムガス(シリンダー、カードル、ローダー、トレーラー)、② 液体ヘリウム(デュワー瓶)、③ 各種ヘリウム混合製品。

 大陽日酸は現在、2021年後半から続く米国海上コンテナ輸送の混乱影響により、顧客にヘリウム製品出荷量の制限および納期調整を行っているが、2022年に入り、ヘリウムの主要ソースである、米国BLMの設備トラブルやカタールプラントの定修により、ヘリウムの調達は更に厳しい状況になった。

 さらに、今年7月以降に米国港湾労使交渉、8月には米国主要ソースであるエクソンモービルのメンテナンスが予定されるなど、ヘリウムのサプライチェーンは今後も厳しい状況が継続するものと見られている。

 また、大陽日酸グループ会社が直接引取権益を有するロシア新ソースは、天然ガスプラントにおける火災によって稼働開始時期の目処が立っていない。

 大陽日酸では、以上の理由により、原料液体ヘリウムは数量確保の見通しが立たない状況にあり、今回、不本意であるが4月以降のヘリウム製品の出荷について追加的な出荷制限を行うとしている。

 今後も、引き続き顧客と緊密に連携し、原料液体ヘリウムの調達に全力を尽くす。また、ヘリウム使用量の節約、代替品の提案等を進め、取引先からの理解、協力を求めていくとしている。