大陽日酸グループ、53社8000人がkintoneを活用、契約書管理アプリで最大400万円/年のコスト削減
業務デジタル化推進の先にある「企業風土改革」が重点戦略
サイボウズは、日本酸素ホールディングスグループの国内産業ガス事業会社である大陽日酸の業務基盤、企業風土改革ツールとして採択された「kintone(キントーン)」のDX推進事例を公表した。それによると「kintone」は、大陽日酸グループの53社、約8,000人に活用され、グループ全体のコスト削減や不要な出社を削減するなど業務改革の実現に寄与している。
kintoneの導入背景と効果
大陽日酸は、産業ガスのリーディングカンパニーとして幅広い分野で事業を展開する。kintoneは、大陽日酸が長年業務基盤として運用してきたIT製品のサポートの終了に伴い、新たな業務基盤として2017年に採択された。導入から5年以上が経過し、kintoneを活用し600を超えるアプリを運用する。特に契約書管理アプリでは、約400万円/年のコスト削減を実現すると推計。kintone導入による具体的な効果は以下の3点。
- 外部環境からセキュアでタイムリーに業務ができる職場環境づくりの実現
- IT部門以外の現場メンバーによるアプリ開発の基盤が整い、脱属人化に成功
- ペーパーレス化の実現を通して、大幅なコスト削減を達成
業務デジタル化推進の先にある「企業風土改革」が重点戦略
大陽日酸のICT化における特徴は、「業務効率化」や「コスト削減」も目標として掲げる一方、これらはあくまでも手段であり、その先にある「企業風土改革」を重点戦略に掲げる。中でも、IT部門はチームミッションを「開発から教育ルール作りへ」と設定し、「kintone道場」と名付けた社内講習会を定期開催する。IT部門以外の現場メンバーが自らアプリ開発に取り組める企画を実行し、今後も受講者を増やす予定。
大陽日酸 経営企画・ICTユニットICTマネジメント統括部 業務デザイン部デジタルコミュニケーション課の丸山学課長は「kintoneは大陽日酸グループのコミュニケーション手段として、必要不可欠なツールです。今後、他のサービスと連携を進めていくことも検討しており、kintoneがさらに進化を続けていくことを願っています。他社同様、当社においてもデジタル人材不足がDX推進の課題となっていますが、kintoneはシステムを専門としていない人でも容易にアプリ製作が可能であるため、デジタル人材育成の一助にもなることを期待しています」とコメントしている。