山陽電子工業が「ものづくりワールド」でOEM製造の提案
在宅酸素濃縮装置や非接触の呼吸数センシングシステムの技術展示
山陽電子工業(本社:岡山県岡山市)は2024年6月19日~21日、東京ビッグサイトで開催された「ものづくりワールド東京」に出展し、自社開発医療機器の在宅医療用酸素濃縮装置「Dr.(ドクター)酸素5L‐Ⅱ」を出品して標準搭載されたBluetoothリモコンや、同社が保有するLTE通信IoTシステム技術などの紹介を行った。また、レーダーによる非接触バイタル(呼吸数)センシングシステムの技術展示を行い、同社の幅広い関連技術を用いたオリジナル商品(OEM)の製造を提案した。
山陽電子工業は1963年に放送局設備機器の設計・製作・施工事業を目的に設立され、現在では電気通信工事や付帯施設の提供から、電子・放送機器や医療機器、環境機器の開発・製造までに事業領域は拡大している。ISO9001・ISO13485・ISO14001各認証取得・第一種医療機器製造販売業許可 医療機器製造業登録・高度管理医療機器等販売業許可・医療機器修理業許可などを取得。
機械系・電気ハード系・ソフト系の技術者をバランスよく抱え、新しいものづくりに適した体制をとっており、これらの関連技術を用いた具体的な課題解決モデルの展開アイデアを探るため「ものづくりワールド東京」へ出展した。ブースでは、在宅医療用酸素濃縮装置の「Dr.(ドクター)酸素5L‐Ⅱ」やPSA酸素ガス発生装置、無人エントランスで自動音声ガイダンスや手指消毒・温度測定を行う「Guardian(ガーディアン)」を展示したほか、駅構内向けの誘導用電子チャイムや指向性スピーカーシステム、レーダー式呼吸検知システム、精密機器を収納するシェルター技術など、広範囲にわたる同社事業を紹介した。
「Dr.(ドクター)酸素Ⅱ」シリーズは、酸素流量が5リットル、7リットル、10リットルの3タイプをラインナップする在宅医療用酸素濃縮装置で、停電時のライトや5つの見やすい警告ランプの搭載、音声合成ガイド機能、低騒音、細かい流量設定、省エネ設計など、山陽電子工業が得意とする様々な技術が活かされた製品となっている。流量5リットルの定番モデルとなる「Dr.(ドクター)酸素5L‐Ⅱ」には、Bluetoothリモコンが標準搭載され、離れた場所から労作時・安静時・就寝時の専用ボタンであらかじめ登録した流量が設定できる。また、装置の稼働状況のデータをインターネット経由で送信するためのLTE通信機能にも対応するため、今後、在宅医療や地域包括ケアで重要になる遠隔モニタリングシステムへの応用が可能となっている。
展示ブースでは、レーダーによる非接触バイタル(呼吸数)センシングシステムのデモも行い、在宅医療向け装置への応用や、高齢者の見守りシステムとしての活用などを提案した。非接触のため就寝時でも睡眠を邪魔することがなく呼吸検知が可能なことや、離れた場所からの計測もできるため、睡眠時無呼吸症候群の評価など様々な分野での応用が考えられる。