日本酸素HD 2025年3月期第2四半期連結決算(IFRS)

セパレートガス(酸素・窒素・アルゴン)出荷量は前期比増加、グループ全体の製商品需要は軟調

 日本酸素ホールディングスの2025年3月期第2四半期連結決算は、売上収益6430億4500万円(前年同期比5.0%増)、コア営業利益934億9800万円(同14.5%増)、営業利益825億1200万円(同1.1%増)、親会社の所有者に帰属する中間利益491億9400万円(同1.3%増)だった。通期業績予想と年間配当金予想に修正はない。

 主力製品であるセパレートガス(酸素、窒素、アルゴン)の出荷数量は、前期比で増加したが、グループ全体での製商品需要は軟調。また、一部の主要な地域で、セパレートガスの製造原価に多く占める電力コストが前期比で減少した。グループ全体では、コスト上昇による販売価格への転嫁等の価格マネジメントや、地域ごとの生産性向上プログラムに取り組んだ。

 為替の影響は、期中平均レートが前年同期に比べ、米ドルで142円61銭から152円45銭へと9円84銭(前年同期比6.9%増加)の円安、ユーロで154円81銭から165円83銭へと11円2銭(同 7.1%増加)の円安となるなど、売上収益は全体で約279億円、コア営業利益は全体で約43億円のプラス影響。

セグメント業績

セグメント利益はコア営業利益で表示

日本

 産業ガス関連では、セパレートガスの出荷数量は微減、炭酸ガスは前年同期並み。電子材料ガスは増収だった。機器・工事では、産業ガス関連、エレクトロニクス関連共に、中大型案件の工事の進捗に伴う売上等により、増収となった。一方、前期の特定顧客向けにオンサイト供給を担う子会社のジョイント・オペレーション化及び民生用LPガス事業を担う子会社の非連結化による減収影響があった。
 売上収益は、1949億0500万円(前年同期比3.6%減)、セグメント利益は、219億9400万円(同3.1%増)。

米国

 産業ガス関連の売上収益は、セパレートガスの出荷数量が堅調に推移、価格マネジメントの効果で増収。機器・工事では、産業ガス関連、エレクトロニクス関連共に販売が軟調だった。
 売上収益は、1795億6800万円(前年同期比5.9%増)、セグメント利益は、285億7300万円(同21.9%増)。 

欧州

 産業ガス関連の売上収益は、主に価格マネジメントの効果により、増収。機器・工事では、ガス関連機器及び医療関連機器の販売が好調で増収となった。
 売上収益は、1655億2800万円(前年同期比12.3%増)、セグメント利益は、318億5200万円(同20.8%増)。

アジア・オセアニア

 産業ガス関連では、セパレートガスの出荷数量は堅調に推移した。主に豪州地域での販売が多くを占めるLPガスでは、販売数量が堅調に推移し、売上収益は増収。エレクトロニクス関連では、ガス・機器共に増収となった。
 売上収益は、865億5400万円(前年同期比10.8%増)、セグメント利益は、88億3500万円(同3.1%増)。

サーモス

 日本では、ケータイマグの販売は堅調で、機能的でスタイリッシュなデザインの新製品の上市もあり、売上収益は増加した。海外の業績は軟調だった。セグメント利益は、販売費及び一般管理費、円安に伴う製造コストの増加により、減益。
 売上収益は、164億4100万円(前年同期比7.2%増)、セグメント利益は、27億2400万円(同5.0%減)。