エア・ウォーター、産業ガス事業の一部を会社分割で完全子会社へ承継

鉄鋼向けオンサイトガス供給プラントを中心とした産業ガス事業をAWガスプロダクツに集約

 エア・ウォーターは、2025年8月7日開催の取締役会において、2025年10月1日を効力発生日として、エア・ウォーター デジタル&インダストリーグループ・ガスプロダクツユニット内の産業ガス事業の一部を会社分割により、完全子会社であるエア・ウォーター・ガスプロダクツ株式会社(以下、AWガスプロダクツ)に承継させること(以下、本会社分割)を決議し、2025年8月7日付で吸収分割契約を締結した。鉄鋼向けオンサイトガス供給プラントを中心とした産業ガス事業をAWガスプロダクツに集約することで、各種産業ガス製品の製造、販売、物流、保守の一貫体制を構築する。分割する事業の2025年3月期売上収益は361億3100万円で、分割会社のエア・ウォーターの連結売上収益に対し3.36%にあたる。

本会社分割の目的

 エア・ウォーターのデジタル&インダストリーセグメントの産業ガス事業は、国内各地に設置した製造・供給・輸送拠点を通じて産業ガスを安定的に供給することで、多様な業種の製造業を支えている。国内の産業ガス事業を取り巻く事業環境は、鉄鋼・化学などの素材分野における産業ガス需要が減少基調となる中、半導体製造工場の新増設を背景にエレクトロニクス関連分野のガス需要は拡大傾向にある。

 エア・ウォーターグループでは、こうした産業構造の変化を踏まえ、各種産業ガスの更なる安定供給体制を構築するとともに、価格マネジメントの徹底や生産性の向上をはじめとした収益強化策に取り組んできた。また、今後の成長領域として、インドや北米を中心とするグローバル産業ガス事業の拡大に注力している。

 2021年4月に産業ガス製造子会社として新設したAWガスプロダクツは、グループが保有する各種ガス製造プラントの操業に関わる運転・保全、コスト管理等を一元的に担い、事業環境の変化に対応したガス製造機能の高度化、効率化とともに、海外製造拠点の拡充に向けた人材育成等を推進している。

 これまでは、エア・ウォーターが産業ガス製造プラントを資産保有し、AWガスプロダクツがエア・ウォーターからの業務受託によりプラントの操業管理等を行う体制としていたが、今回、鉄鋼向けオンサイトガス供給プラントを中心とした産業ガス事業をAWガスプロダクツに集約することで、各種産業ガス製品の製造、販売、物流、保守の一貫体制を構築する。