日本初の空港内水素ステーション「イワタニ水素ステーション 関西国際空港」開所

 岩谷産業は、空港施設に隣接したステーションとしては日本初となる「イワタニ水素ステーション 関西国際空港」を完成し、2016年1月29日、開所式を行った。岩谷産業はこれまでに、四大都市圏を中心に全国12ヵ所の水素ステーションを開所しており、今回の開所で13ヵ所目となる。

 「イワタニ水素ステーション 関西国際空港」は、新関西国際空港が「環境先進空港」を目指して推進している「スマート愛ランド構想」の柱の1つである「水素グリッドプロジェクト」の一環として計画を進めていたもの。新関西国際空港より土地の提供を受け、岩谷産業が建設を行った。空港内の水素ステーションであることから、翼をイメージしたキャノピー(屋根)を採用し、斬新なデザインとなっている。

 水素は、岩谷産業の液化水素製造拠点であるハイドロエッジ(大阪府堺市)からローリーで輸送し供給する「オフサイト方式」を採用した。また、同ステーションには、大型のデジタルサイネージを設置したイベントスペースを併設しており、今後は、セミナーや見学会など、水素エネルギー社会の早期実現に向けた啓発活動を行う場として積極的に活用する。

 関西国際空港で進められている「水素グリッドプロジェクト」では、このほかにも、環境省の実証事業として、2015年2月より国際貨物エリア内にて燃料電池フォークリフトおよび水素供給設備の実証試験を行っており、岩谷産業は水素供給設備の開発・設置と燃料となる水素の供給を担当している。現在は1台のみでの実証試験だが、今後、順次台数を増やしていく計画になっており、岩谷産業では水素の供給能力増強に向けた検討を進めている。

 

 

「イワタニ水素ステーション 関西国際空港」の概要

 名    称 イワタニ水素ステーション 関西国際空港
 所 在 地 大阪府泉南郡田尻町泉州空港中11-1
 敷地面積 2,479㎡
 水素供給 液化水素オフサイト供給
 供給能力 燃料電池自動車:300N m3/h (1時間当たりFCV6台の満充填が可能)
 充填圧力 70MPa(メガパスカル)(約700気圧)
 設備構成 液化水素貯槽、ドイツ・Linde社製水素圧縮機、蓄圧設備、ディスペンサーなど