エア・ウォーター2019年3月期第3四半期連結決算

 エア・ウォーターの2019年3月期第3四半期連結決算は、売上高5814億0900万円(前年同期比5・0%増)、営業利益300億7500万円(同1・3%増)、経常利益325億5800万円(同3・7%増)、純利益187億7100万円(同0・0%増減)だった。
 産業ガス関連事業は、電気料金が上昇した影響があったものの、鉄鋼、自動車、エレクトロニクスをはじめとした国内製造業の幅広い業種で底堅いガス需要が継続したことを背景に、堅調に推移した。また、ケミカル関連事業は、有機酸や機能化学品分野における収益改善が進展し、好調に推移。さらに、新規受注の獲得と受託料金の適正化に取り組んだ物流関連事業に加え、その他の事業セグメントを構成するエアゾール事業および情報電子材料事業もそれぞれ順調に推移した。これらの事業業績は、上半期に相次いで発生した自然災害による影響のほか、人件費や物流費をはじめとしたコスト増加の影響を補うとともに、グループ全体の業績拡大を牽引した。

主なセグメント別の業績

  1.  産業ガス関連事業
     売上高1257億3300万円(前年同期比6・7%増)、経常利益118億7300万円(同2・8%増)。
     高炉向けのオンサイトガス供給は、堅調な粗鋼生産に加え、安定操業を継続したことで、順調に推移した。また、エレクトロニクス向けのオンサイトガス供給は、顧客工場の高操業が継続した。さらに、ローリー・シリンダー供給は、自動車、化学、建設関連向けなど国内製造業の底堅い需要を背景に、高効率小型液化酸素・窒素製造プラント「VSU」の展開を基軸とした拠点戦略の進展による効果も相俟って、総じて順調だった。なお、需給タイトな状態が続く炭酸ガスは、前年度に実施した生産能力の増強が奏功し、販売数量が増加したことで堅調だった。利益面では、電気料金の上昇に加え、物流コストが増加した影響を受けた。
     機器・工事関連は、国内製造業における設備投資の拡大を背景に、ガス発生装置および供給設備等の製作が増加した。また、前年度にM&Aを実施した日本パイオニクスの新規連結効果も寄与した。
  2. ケミカル関連事業
     売上高568億7900万円(同12・1%増)、経常利益24億3800万円(同119・7%増)
  3.  医療関連部門
     売上高1247億0300万円(同3・6%増)、経常利益50億9000万円(同4・3%減)。
     高度医療分野では、SPD(病院物品物流管理)事業における新規顧客の獲得と資材調達の合理化ならびに滅菌事業における受託料金の適正化が進展し、医療サービスが順調に推移した。また、医療機器は、診療報酬の改定を追い風に高気圧酸素治療装置の販売が拡大したことに加え、一酸化窒素吸入療法の症例数が増加したことにより、堅調だった。医療用ガスは、使用量が減少しましたが、配送効率の改善等により堅調に推移した。一方、設備工事は、病院の新規案件が一巡した影響もあり前年同期を下回る結果となった。
     生活者により近い分野で商品やサービスを提供するくらしの医療分野では、在宅医療事業および衛生材料事業が厳しい状況となったほか、注射針事業では、受注が回復したものの、更新した生産設備の立ち上げが遅れた影響を受けた。また、デンタル事業は、歯科関連材料の販売が好調に推移した一方で、歯科医院向けの通信販売において配送等のコストが増加した。
  4. エネルギー関連事業
     売上高358億5800万円(同5・6%増)、経常利益20億3500万円(同5・6%減)。
  5. 農業・食品関連事業
     売上高1057億7700万円(同1・7%増)、経常利益47億2300万円(同1・0%増)。
  6. 物流関連事業
     売上高361億3500万円(同6・3%増)、経常利益21億2500万円(同29・0%増)。
  7. その他の事業
     売上高963億1900万円(同3・7%増)、経常利益63億6600万円(同4・6%増)。