日本政策投資銀行、大陽日酸に劣後特約付ローン実施-「特定投資業務」を通じた国際競争力強化支援-

 日本政策投資銀行(以下「DBJ」)は、大陽日酸に対し、劣後特約付きローン(注1)の実施を決定した。

 大陽日酸は、国内最大手の産業ガスメーカーとして、未開拓であった欧州地域への進出及び製品ラインナップ拡充による国際競争力強化を企図し、2018年12月に同業大手の米Praxair, Inc.の欧州事業買収、2019年2月に米国HyCO(注2)事業取得を実施しており、グローバル展開をより一層加速している。

 今回調達する資金は、米国Praxair, Inc.社の欧州事業取得資金に活用される予定で、日・米・アジア/オセアニア・欧州におけるグループ連携や大陽日酸が強みを有する半導体分野のグローバルな顧客対応機能の強化等を図る。DBJは、大陽日酸の取組に対し、「特定投資業務」を活用したリスクマネー供給を実施することで、大陽日酸の競争力強化及び中長期的な企業価値向上に貢献することを目指す。

 DBJは、企業理念「金融力で未来をデザインします~金融フロンティアの弛まぬ開拓を通じて、お客様及び社会の課題を解決し、日本と世界の持続的発展を実現します~」に基づき、今後とも「特定投資業務」を通じた成長資金に係る市場の発展や地域経済の活性化、競争力強化に向けた顧客の取り組みを積極的に支援する。

 (注1)劣後特約付ローン…資本と負債の中間的な性質を有するファイナンス手法。メザニンファイナンスの一種であり、格付機関から一定の資本性を認められることが期待できるなど、株式の希薄化なしに財務構成比率を改善し、財務の安定性を高めるメリットがある。

 (注2)HyCO事業とは、天然ガス等から水蒸気改質装置(以下「SMR」)などで分離される水素(H2)・一酸化炭素(CO)を、石油精製・石油化学産業などにパイプラインを通じて大規模供給する事業