岩谷産業、大阪・関西万博で水素燃料電池船の商用化目指す

FSを東京海洋大学、関西電力、名村造船所、日本政策投資銀行などと開始

 岩谷産業は、水素・燃料電池の利活用拡大と大阪・関西万博の一層の盛り上げを目的とし、水素燃料電池船の商用化運用に向けた検討(フィージビリティスタディ)を東京海洋大学、関西電力株式会社、株式会社名村造船所、株式会社日本政策投資銀行などと開始する。水素燃料電池船は、大阪・関西万博の開催中、旅客船として運航し、万博会場である夢洲と大阪市内の観光地を結ぶことを目指す。

水素燃料電池船の完成イメージ

 世界的に環境意識が高まり、様々な移動手段において水素の活用が期待される中で、岩谷産業では、水素燃料電池を搭載した船舶開発の検討を開始する。水素燃料電池船は、従来船と比べ、走行時にCO2や環境負荷物質を排出しない高い環境性能を有するだけでなく、匂い、騒音、振動のない優れた快適性が期待される。未来へのショーケースとして、大阪・関西万博で水素燃料電池船を商用運航し、世界中の人々に水素エネルギーの可能性をPRし、将来的な海上輸送分野でのゼロエミッション化に貢献する。

 また、燃料電池自動車、燃料電池バス、燃料電池フォークリフト向けの水素ステーションを他社に先駆けて販売・運用してきた経験から、船舶用ステーションの開発の可能性も併せて検討する。

 岩谷産業は、1941年に水素の取り扱いを開始して以来、製造から輸送・貯蔵・供給・保安まで一貫した全国ネットワークを築いてきた。2006年に大阪府堺市に国内で初めての液化水素製造プラントを建設し、現在では年間1億2,000万㎥(3拠点・6プラント)の液化水素製造能力を有する日本で唯一の液化水素サプライヤーとなる。また、全国に10カ所の圧縮水素工場も保有しており、圧倒的に優位な事業基盤を活かし、日本での水素市場シェアを70%持つとされている。