世界初となる液化水素の国際間サプライチェーン構築実証で豪州サイトの設備公開

豪州ビクトリア州の褐炭ガス化・水素精製設備と水素液化・積荷基地が運転開始

 川崎重工業株式会社、電源開発株式会社、岩谷産業株式会社、丸紅株式会社、AGL Energy Limited、住友商事株式会社の 6 社が参画する水素サプライチェーンの実証試験を行う豪州のコンソーシアムは、豪州ビクトリア州に建設した、褐炭ガス化・水素精製設備(電源開発所掌)と水素液化・積荷基地(川崎重工、岩谷産業所掌)の両施設が運転開始したことに伴い、豪州連邦政府、ビクトリア州政府および在豪日本政府の関係者に対し、3 月 12 日、褐炭ガス化・水素精製設備を公開した。

褐炭ガス化・水素精製設備公開の様子

 世界初の液化水素国際間サプライチェーン構築実証試験※は、豪州ビクトリア州ラトローブバレーから産出される褐炭から水素を製造し、同州のヘイスティングス港にて液化・積荷し、日本の神戸液化水素荷役実証ターミナル(Hy touch 神戸)に輸送することにより、水素サプライチェーン構築に必要な一連の技術実証を行う。現在、2020 年 11 月にヘイスティングス港に建設した水素液化・積荷基地および、2021 年1 月にラトローブバレーで水素製造開始した褐炭ガス化・水素精製設備の機能・性能確認を行っている。

 機能・性能確認完了後、両施設を連携した運転試験を実施する。また、2021 年中に日本からヘイスティングス港に液化水素運搬船「すいそ ふろんてぃあ」が来港し、日豪間での輸送試験を実施予定。また、将来実用化を目指している商用規模の水素サプライチェーンでは、豪州連邦政府とビクトリア州政府が進めている CO2 回収・貯留(CCS)プロジェクトと連携し、クリーンな水素を製造できるよう協調する。

 水素サプライチェーンの構築検討が世界各地で行われている中、ラトローブバレーの褐炭を用いて水素製造を行うのは世界初であり、本実証は水素社会の実現に向けた大きな一歩となる。

 本コンソーシアムを組成する 6 社は、水素サプライチェーン構築実証試験を成功させるとともに、豪州の水素産業発展のためには欠かせないインフラ設備の構築や、技術者の育成にも力を注いでいくことで、液化水素サプライチェーンの商用化を実現し、CO2 の排出を抑制した持続可能な社会の実現を目指す。


水素液化・積荷基地

※ 本実証試験は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構および豪州政府の補助金を受けて、技術研究組合 CO2 フリー水素サプライチェーン推進機構(HySTRA)と豪州側のコンソーシアムが参画している。