エア・ウォーター、英・産業ガス輸送機器メーカーのM1社株式100%を取得して完全子会社化

極低温液化ガスを運ぶためのトレーラー、コンテナ、タンクローリ―の製作・販売

 エア・ウォーターはイギリスで産業ガス・LNG の輸送機器を製造・販売する M1 Engineering Holdings Limited(以下、M1 社)の株式100%を、2023 年4 月12 日に取得し、完全子会社化した。

 イギリスを拠点とするM1社は、主に産業ガスやLNGなどの極低温液化ガスを運ぶためのトレーラー、コンテナ、タンクローリ―の製作・販売を手掛けるエンジニアリング会社。1973 年の創業以来、イギリスをはじめ欧州全域に強固な販売ネットワークを有している。

 エア・ウォーターグループは、産業ガスの製造・供給を通じて長年培ってきた極低温のハンドリング技術を強みに、アメリカとマレーシアの現地子会社を通じて、北米及びアジアを中心としたグローバルな低温機器の製造・販売事業を展開している。特に、北米は、脱炭素関連需要の高まりを背景にモビリティ向け水素サプライチェーンの構築が世界に先駆けて進んでおり、エア・ウォーターグループは、急成長している水素需要を獲得するために、液化水素タンクやトレーラーなどの水素関連機器を独自のエンジニアリング技術で開発し、業界トップシェアを誇る水素ステーション事業者や FC フォークリフト向け関連インフラ事業者に提供し、実績とノウハウを蓄積してきた。

 こうした中、エア・ウォーターは、欧州における脱炭素化に向けた液化水素の需要拡大を見据え、M1 社を子会社化し、今後、同社に対してエア・ウォーターグループが保有する低温機器製作のエンジニアリング技術を移管するとともに、機器製作工場の拡張をはじめとした拠点整備を行い、2024 年から液化水素関連機器の販売を開始する。

 また同時に、エア・ウォーターが成長戦略と位置付ける海外における産業ガス事業の拡大を加速させるため、M1 社を通じて、グループが手掛ける低温機器や炭酸ガス関連機器などの欧州での販売を開始し、液化水素関連機器の製造・販売と合わせて、欧州における産業ガス関連事業の基盤構築を進める。

株式取得の概要

  • 取得日 :2023年4月12日
  • 出資割合:発行済株式総数の100%

M1 Engineering Holdings Limited 会社概要

  • 会社名 :M1 Engineering Holdings Limited
  • 所在地 :イギリス ヨークシャー州 ブラッドフォード
  • 代表者 :Jason Paul Gill
  • 事業内容:液化ガス輸送機器、ISO コンテナの製作・販売
  • 売上高 :約10億円(2022年度)

参考

エア・ウォーターグループが製造する液化水素トレーラー