エア・ウォーター・メカトロニクスの半導体製造プロセス用ガス精製装置新棟工場が稼働

半導体メーカーの生産増強と製造設備大型化に対応、製作能力は現行比1.6倍

 エア・ウォーターグループのエア・ウォーター・メカトロニクス株式会社(旧社名:日本パイオニクス株式会社、本社:神奈川県平塚市、社長:荒川 秩、以下、AWメカトロニクス)は、半導体製造向けガス精製装置の増産と大型化に対応するため、同社平塚工場内に新棟の建設を進めていたが、このほど完成し、2023年4月18日より稼働を開始した。

エア・ウォーター・メカトロニクス 半導体製造プロセス用ガス精製装置新棟工場
建屋外観

 近年、全世界的に半導体工場の新設や拡張が相次いで計画され、同時に製造設備の大型化が進んでいる。AWメカトロニクスでは、こうした動きに対応できるガス精製装置の製作体制を構築するため、新棟を既存の工場敷地内に新設した。新棟の稼働により、大型ガス精製装置の内製化や納期短縮が可能となり、製作能力は現行比1.6倍になる。

大流量タイプのガス精製装置
大流量タイプのガス精製装置

 ガス精製装置は、半導体の製造プロセスで使用される材料ガスや不活性ガスを超高純度に精製するために使用され、半導体の製造工程において欠かせない装置になる。ガス精製装置の製作を手掛ける企業は世界でも限られていることに加え、AWメカトロニクスは、独自開発した触媒や透過膜を搭載し、顧客が使用するガス種や仕様に応じた最適なガス精製装置の設計・製作ができることを強みに、日本をはじめ台湾、中国、米国など世界最先端の半導体メーカーへ豊富な納入実績を有する。

 なお、2023年4月にエア・ウォーターエレクトロニクス関連事業の機器装置分野を移管するとともに、関連事業であるエア・ウォーター・ベルパール株式会社の機器装置事業及びエア・ウォーター・プラントエンジニアリング株式会社のガスアプリケーション機器製作事業をAWメカトロニクスに移管集約した。

 AWメカトロニクスの平塚工場では、大気圧プラズマ処理装置やドライアイススノー精密洗浄装置といったガスアプリケーション機器のデモやサンプルテストに対応したテクノロジーセンターも併設しており、今後は、移管された半導体製造に関連した各種機器装置の開発から製造、販売まで自社で一貫したソリューション提案ができる戦略拠点として活用し、拡大を続ける半導体市場の需要を着実に取り込む。

新棟の概要

  1. 所在地:神奈川県平塚市田村3-3-32
  2. 面積:延床面積820㎡
  3. 構造:鉄骨造 平屋建(一部3階有り)
  4. 稼働日:2023年4月18日  
  5. 投資額:約4億円