小池酸素工業 2023年3月期通期連結決算
DBCファイバーレーザー切断機の販売が好調、前期比30円の増配
小池酸素工業の2023年3月期通期連結決算は、売上高478億7100万円(前年同期比14.4%増)、営業利益32億9200万円(同94.8%増)、経常利益37億8600万円(同83.5%増)、親会社株主に帰属する純利益20億6500万円(同107.5%増)となった。配当金は直近の予想から期末配当を20円増配し、期末配当90円の年間配当90円(前年同期比30円増配)とした。
小池酸素工業グループの主需要先である建設業界・産業機械業界では需要回復の兆しがみられるものの、造船業界では鋼材価格の上昇や急激な為替相場の変動により回復に鈍化がみられた。中期経営計画で掲げた「世界市場での顧客満足の実現」に向けた取組を継続し、各部門において、売上高、利益ともに増加した。
セグメント別の業績は次のとおり。
機械装置
売上高は193億3300万円(前年同期比31.2%増)、セグメント利益は23億8200万円(同169.9%増)。
「2022国際ウェルディングショー」・「2022KOIKEプライベートフェア」でオンリーワン技術のDBC(Dual Beam Control)ファイバーレーザー切断機のフルラインアップ(出力18kW/12kW/8kW)を発表、同機を含む中大型機の販売が想定を上回った。また、顧客の省エネルギーニーズや熟練工不足等の課題を解決する製品群の営業活動に注力した。海外においては米国を中心にコロナ禍からの復調傾向がみられた事により、売上高は増加した。
高圧ガス
売上高は192億6400万円(前年同期比2.3%増)、セグメント利益は14億5400万円(同10.7%増)。
原材料や電気料金の高騰に伴う価格改定や、主需要先である建設業界・産業機械業界の需要回復に伴い、深耕拡大および新規拡販活動に注力した。医療分野においては、酸素濃縮器のレンタルが引き続き好調に推移するとともに、営業活動の強化によりCPAPレンタル、ディスポーザブル吸引器の販売が好調に推移し、売上高は増加した。
溶接機材
売上高は85億8800万円(前年同期比8.6%増)、セグメント利益は5億7400万円(同17.0%増)。
省力化や作業環境改善を目的とした自動化機器や作業効率化工具、安全保護具などの販売が堅調に推移し、売上高は増加した。
その他
売上高は6億8400万円(前年同期比86.9%増)、セグメント利益は1億8400万円(同814.7%増)。
海外液晶パネル向け排ガス除害装置や光ファイバー向けヘリウム回収精製装置等の販売に注力したことにより、売上高は増加した。
今後の見通し
機械装置部門においては、オンリーワン技術のDBC(Dual Beam Control)ファイバーレーザー切断機の更なる販売強化に努めるとともに、機械性能向上を目指した研究開発に注力する。また、海外市場においてもDBCファイバーレーザー切断機の販売を強化する。
高圧ガス部門においては、機械との一体販売の推進などにより新規顧客の獲得に取り組むとともに、原材料および電気代高騰に伴う各種ガスの価格改定に取り組む。また、将来に向けたガス事業の構造改革として充填工場の再構築や配送の合理化を推進し、安全の確保、安定供給および原価低減を図る。医療分野においては、酸素濃縮器レンタル、CPAPレンタルなどの営業強化を図り、拡販活動に努める。
溶接機材部門においては、省エネルギー、カーボンニュートラル、労働環境改善など、職場の安全と効率化やSDGs課題の解決に資する商材の拡販活動に努める。また、資材や運送費等の仕入価格高騰に伴う商品価格の改定に取り組む。
その他の部門においては、カーボンニュートラル時代を見据えた新製品として、水素を燃料とした装置開発に取り組む。また、ヘリウム回収精製装置における半導体市場への参入およびリサイクル事業拡大に向けたヘリウム精製装置の開発に取り組む。
2024年3月期通期連結業績予想は、売上高480億円(前年同期比0.3%増)、営業利益33億円(同0.2%増)、経常利益38億円(同0.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益21億円(同1.7%増)を見込む。配当金は期末配当100円の年間配当100円(前期比10円増配)を予想する。