業界初、100%水素燃料の1700℃で耐火物を焼成成功

ヨータイとナリタテクノが新型高温焼成炉を共同開発

 株式会社ヨータイ(本社:大阪府貝塚市)と株式会社ナリタテクノ(本社:愛知県瀬戸市)は2023年 7 月、新型高温焼成炉(特許取得済)を共同開発し、2023 年 9 月に焼成工程全域において水素 100%を燃料とする高温焼成試験を実施した。

(左)窯積み状態、(右)100%水素燃料で焼成した耐火物
(左)窯積み状態、(右)100%水素燃料で焼成した耐火物

 これにより、業界初となる※1焼成温度 1700℃・4 時間保持にてスピネル系耐火物、アルミナ系耐火物及びムライト系耐火物(セッター)の焼成に成功した。なお、基本物性については現行の焼成品と同等の品質を有していることを確認している。

 新型高温焼成炉の開発は、ヨータイの耐火物/炉構造設計技術・知見と、ナリタテクノの水素燃焼技術・安全制御技術・セラミックス焼成の知見により実現したもの。焼成工程全域における水素 100%燃料での焼成及び高温域となる 1700℃の到達は、高温熱処理が不可分な窯業業界、無機材料化学業界を取り巻く※2「カーボンニュートラル社会」の実現に向けた大きな一歩となる。

※1 水素 100%燃料を使用し 1500℃を超える耐火物の焼成温度域(1700℃)を実現。従来の水素 100%燃料の使用では、1500℃到達が最高温度とされて来た。
※2 窯業・無機材料化学業界では、1500℃を超える高温熱処理・焼成工程を経る製品が少なからず存在する。現状は、都市ガス等の化石燃料を使用して熱処理に必要な高温域を獲得していたが、副生成物として温室効果ガスである二酸化炭素を生成、放出する。