エア・ウォーターと日本ヘリウム、半導体材料向けヘリウムの供給確保で投資計画

経済安全保障促進法に基づく「供給確保計画」に認定、ヘリウム備蓄に9.2億円の助成

 エア・ウォーターとグループの日本ヘリウムは、半導体材料としてのヘリウムの安定供給を実現するための投資計画が、経済安全保障促進法に基づく「供給確保計画」に認定されたと公表した。「供給確保計画」はヘリウムの備蓄が目標で、認定日は2023年12月6日、最大助成額は約9.2億円。

 近年、ヘリウム市場は世界的に主要プラントの稼働率の低下や新規プラントの立ち上げ遅れなどにより、2023年現在、供給不足の状況となっている。これに対しヘリウム需要は、半導体産業分野を中心に伸長していることから、世界的な需給逼迫の終息が見通せない状況とされる。

 こうした中、両社の半導体材料としてのヘリウム供給安定化を目標とした設備投資計画が、「経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律(経済安全保障促進法)」に基づく「供給確保計画」に認定されたことで、供給体制の安定化に取り組む。

 両社は世界的に需給が逼迫しているヘリウムの供給能力を高め、国内の半導体製造にかかわるサプライチェーンの強靭化と我が国の経済安全保障に貢献する。

 エア・ウォーターと日本ヘリウムは、1969 年よりヘリウムの輸入・充填・販売を展開するヘリウム供給事業者。日本で消費されるヘリウムは、その全量を長期契約に基づく輸入に頼っている。エア・ウォーターグループは、海外で生産された極低温の液体ヘリウムを特殊コンテナで海上輸送した後、国内6 ヵ所の充填工場で容器に充填し、エレクトロニクス、ヘルスケア、航空宇宙産業等の顧客へ販売を行う。

供給確保計画の概要

  • 認定事業者名:エア・ウォーター株式会社ならびに日本ヘリウム株式会社(共同申請)
  • 安定供給確保を図ろうとする特定重要物資又はその生産に必要な原材料等の品目:半導体原料(ヘリウム)
  • 特定重要物資等の安定供給確保に関する目標:ヘリウムの備蓄
  • 最大助成額:約9.2億円
  • 認定日:2023 年12 月6 日