エア・ウォーター、産業・医療ガスを2024年4月1日出荷分より、10~30%以上値上げ

円安や地政学的リスク、「物流の2024年問題」の輸送コスト増加へ対応

 エア・ウォーターは、2024年4月1日出荷分より産業・医療ガスの値上げを行う。対象製品は、エアセパレートガス(酸素、窒素、アルゴン、エルナックス)と、炭酸ガス、ドライアイス、ヘリウムガス、レアガス、水素ガス、ダイサイドなど。改定幅はエアセパレートガスが現行価格に対し10%以上、その他製品が同20~30%以上としている。

 エア・ウォーターでは昨年、産業・医療ガスの製造・輸送にかかる様々なコストが上昇したことを受け、各種ガス製品について、2023年2月1日出荷分より10~30%以上の価格改定を実施している。

 その後も円安による為替動向や地政学的リスクの高まりによってエネルギーコスト・電気料金が不安定な状況にあることに加え、2024年4月1日に予定されている労働基準法の改正(いわゆる「物流の2024年問題」)により、輸送コストが増加する見通し。

 さらに、炭酸ガスやヘリウムガスなどのガス製品については、日本国内における安定供給を継続するために、国内での輸送体制や海外からの輸入、調達先の複数化等の対応が必要となるため、製造・調達・輸送コストが大幅に増加する見通しとなっている。

 エア・ウォーターでは、これまでも、製造・物流等の合理化を進めコストダウンに努めてきたが、外部環境の変動によるコストの上昇は企業努力で吸収できる範囲をはるかに超えており、安定供給を継続するためにも、改めて価格改定を行うとしている。