トリケミカル研究所 2024年1月期通期連結決算

次期2025年1月期通期業績予想は大幅な増収増益

 トリケミカル研究所の2024年1月期通期連結決算は、売上高112億4600万円(前年同期比18.5%減)、営業利益19億4700万円(同44.4%減)、経常利益32億7600万円(同47.0%減)、親会社株主に帰属する純利益24億7000万円(同48.9%減)となった。

 2024年1月期連結会計年度は、グループの主要な販売先である半導体業界で半導体メーカーの在庫調整や設備投資計画の見直しによる減産の影響を受け、半導体製造用化学化合物の需要に関しても当初の見通しより低い水準で推移した。

 トリケミカル研究所グループでは、今後の半導体業界の需要回復に備えるべく、生産設備の導入や人員増強等を行い、全社的に業務のデジタル化や新規製品製造の体制構築を進めるとともに、2025年に操業を予定している南アルプス事業所建設工事のための準備を行った。その他、事業活動における環境負荷の軽減や作業安全性向上等に対する投資にも積極的に取り組んだ。

 さらに、中期経営計画における経営方針に基づき、半導体製造用化学化合物の生産・開発能力の向上を一層推し進め、生産・品質管理体制を継続的に強化すると同時に、事業継続計画の改善、サステナビリティの追求に関する取り組み等も推進した。

 利益面では、収益性を維持しながら持続的な成長を図るため、引き続き全社を挙げての経費削減に取り組むとともに、グループ会社や部門間の連携を深め、一層の収益向上を図った。

今後の見通し

 主要な販売先の半導体市場は、半導体需要が緩やかに回復するとの見方があり、半導体製造用化学化合物の需要も増加していくと見込む。グループとしては、このような環境下、より一層経費削減に取り組み、半導体需要が回復した場合に備えて新規材料の市場投入と既存の材料の生産性向上を併せて図ることで、将来的な収益力を確固たるものにする。

 また、業務のデジタル化や事業継続計画の改善、サステナビリティの追求に対する取り組みは、継続して重要な経営課題として推進する。また、半導体市場の成長が見込まれる中国を含む東アジア市場における中長期的な成長を達成するため、日本において、山梨県南アルプス市に南アルプス事業所の竣工を2025年に予定。台湾においては、子会社の三化電子材料股份有限公司の銅鑼工場における生産体制の更なる増強を図る。韓国においては、関係会社SK Tri Chem Co., Ltd.と連携した事業活動を強力に推進し、中長期的なグループ全体のシナジーを強化し、事業の効率化、新規顧客の獲得を図ることを継続した戦略の柱とする。

 次期2025年1月期の通期業績予想は、売上高148億9000万円(前年同期比32.4%増)、営業利益33億8000万円(73.5%増)、経常利益48億8000万円(48.9%増)、親会社株主に帰属する純利益37億3000万円(同51.0%増)を見込む。年間配当金の予想は、期末配当30円で前年実績を維持した。