トリケミカル研究所 2024年1月期第2四半期連結決算

メモリ半導体など需要低迷で通期予想を下方修正

 トリケミカル研究所の2024年1月期第2四半期連結決算は、売上高56億2200万円(前年同期比14.1%減)、営業利益11億円(同42.4%減)、経常利益19億0600万円(同45.7%減)、親会社株主に帰属する純利益14億5300万円(同46.2%減)となった。

 通期の連結業績予想を下方修正し、売上高113億円(前回予想比41億円減、前年同期比18.1%減)、営業利益17億円(同18億円減、同51.5%減)、経常利益33億7000万円(同20億8000万円減、同45.5%減)、親会社株主に帰属する純利益26億8000万円(同15億7000万円減、同44.5%減)とした。年間配当金は直近公表予想を維持した。

 第2四半期連結累計期間は、グループの主要な販売先である半導体業界で半導体メーカーの在庫調整や設備投資計画の見直しの影響から減産が続いており、在庫の正常化までにはもうしばらく時間がかかると予想。半導体製造用の化学化合物の需要に関しても当初の見通しより低い水準で推移した。

 スマートフォン・データセンター向け等の需要の低迷を受け、各半導体メーカーの業績は軒並み大きく落ち込んでおり、特にメモリ半導体を中心に在庫の軽減に苦慮している状況。トリケミカル研究所製品の出荷についても、この影響を受け、計画を下回った。また、同様の理由で関連会社 SK Tri Chem 社の業績も落ち込んだ。

 トリケミカル研究所グループでは、今後の半導体業界の回復に備えるべく、全社的な業務のデジタル化の波及による生産性の向上及び新規製品製造のための体制構築を積極的に行った。また、将来的な半導体需要の増加に応えるべく山梨県南アルプス市に新工場(南アルプス事業所)の建設を進めている。

 さらに、中期経営計画における経営方針に基づき、半導体製造用化学化合物の生産・開発能力の向上を一層推し進め、海外を中心とした新規材料の需要に即応できる体制の整備に取り組む一方、既存製品の需要に対応するための生産・品質管理体制を継続的に強化すると同時に、環境負荷の軽減や作業安全性の向上に対する投資も積極的に行っている。

 利益面では、韓国を中心としたメモリー向け需要の減速や原材料価格の高騰、固定費増加等の影響を軽減するため、引き続き全社一丸となっての経費削減やコスト等の上昇に伴う販売価格改定に取り組んだ。

 通期連結業績予想では、第2四半期連結累計期間の業況が当面継続すると思われ、かつ今後の市場動向においても急激な回復を見込むことが困難としている。