小池酸素工業 2026年3月期第1四半期連結決算
新製品の開発費増加や円高で業績予想を下方修正
小池酸素工業の2026年3月期第1四半期連結決算は、売上高115億0900万円(前年同期比1.7%減)、営業利益5億9700万円(同35.3%減)、経常利益6億6000万円(同47.2%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益3億6200万円(同52.9%減)となった。主需要先である造船業界では、引続き高い水準の手持ち工事量を維持しているものの、産業機械業界では市況は本格的な回復には至らず、建設業界では公共投資は底堅く、民間設備投資も持ち直しの動きが見られるものの、建設資材の高止まりや人手不足等の影響により工事進捗が停滞している状態が継続した。
直近の業績予想を修正し、2026年3月期通期連結業績予想について、売上高540億円(前回予想550億円、前年同期比2.2%減)、営業利益43億円(同51億円、同21.1%減)、経常利益48億円(同56億円、同20.6%減)、親会社株主に帰属する純利益28億円(同32億円、同22.9%減)へ下方修正した。修正の理由については、新製品の開発を加速させたことにより開発費が当初計画を上回ったこと、今年度4月に稼働したオラクルERPシステムの導入に伴う費用が想定より膨らんだこと、為替相場が想定より円高傾向で推移したこと、としている。年間の配当予想に変更はない。
機械装置
売上高は46億1800万円(前年同期比2.6%減)、セグメント利益は3億4500万円(同42.5%減)。
造船業界において手持ち工事量が増加するなど比較的順調に推移した一方、他の需要先において仕事量の減少傾向が続いた。新規顧客への営業活動強化ならびにオンリーワン技術のDBC(Dual Beam Control)ファイバーレーザー切断機の拡販に注力。6月末には、多数の引合い案件のうち多くについて、補助金の採択を受けたことにより今後の納入に向けた動きが加速しているが、本期間における業績への影響は限定的。海外市場においては、韓国・中国で造船業界の設備投資に回復傾向がみられた。
高圧ガス
売上高は48億4700万円(前年同期比0.0%増)、セグメント利益は3億8100万円(同2.7%減)。
産業ガス分野においては、市場環境に停滞がみられるなか、原材料や物流コストの上昇等に伴う価格改定、取引の深耕や拡大および新規拡販活動に注力した。医療分野においては、仕入価格の上昇等に伴う価格改定、CPAPレンタルや高気圧酸素治療装置の営業活動を強化。
溶接機材
売上高は19億5000万円(前年同期比3.4%減)、セグメント利益は1億0800万円(同48.5%減)。
労働環境改善や省力化、効率化の提案を行い付加価値の高い営業活動を進めたが、鉄骨・建築・建機・自動車業界向けの需要減少を背景に溶接材料の出荷量が低迷した。
その他
売上高は9200万円(前年同期比10.6%減)、セグメント利益は2300万円(同25.4%減)。
海外向けの排ガス処理装置の受注が減少し、売上高は減少。