レゾナックHD 2025年12月期第3四半期連結決算(IFRS)

化学品は炭酸ガスの数量増や一部製品の値上げにより増収増益

 レゾナック・ホールディングスの2025年12月期第3四半期連結決算は、売上収益9862億6300万円(前年同期比4.2%減)、コア営業利益728億3100万円(同5.8%増)、営業利益214億7000万円(同74.9%減)、親会社の所有者に帰属する四半期利益60億3600万円(同90.7%減)となった。当期より国際財務報告基準(IFRS)を適用、コア営業利益は営業利益から非経常的な要因により発生した損益を除いて算出。通期業績予想と年間配当金予想に変更はない。
 売上収益は、半導体・電子材料セグメントは販売数量増により増収となったが、その他の4セグメントは減収。コア営業利益は、半導体・電子材料セグメントは増収に伴い増益となり、四半期単位で過去最高益を達成したが、その他の4セグメントは減益となった。営業利益は、旧本社土地建物の固定資産売却益があった前年同期に対し、Fiamm Energy Technology S.p.A.などの複数事業譲渡の意思決定に伴う減損損失の計上等により、減益。

関連するセグメント別概況

【半導体・電子材料セグメント】

 電子材料用高純度ガスを含む半導体前工程材料は、NAND需要の回復ペースが緩やかななか、排ガス処理装置事業の事業譲渡の影響等で売上は若干の減収。半導体後工程材料は、主にAI等の先端半導体向けの販売数量増加により増収となった。デバイスソリューションは、HDメディアがデータセンター向け需要の回復により増収、SiCエピタキシャルウェハーはEV市場の成長鈍化を受けて横ばい。売上収益は3656億7200万円(前年同期比11.3%増)、コア営業利益739億8600万円(同40.0%増)。

【ケミカルセグメント】

 基礎化学品と産業ガスを含む化学品の売上収益は649億円(前年同期比2%増)で、炭酸ガスの数量増や一部製品の値上げにより増収増益。グラファイトは、黒鉛電極の市況低迷の影響を受け販売数量、販売価格ともに下落し減収。前年同期には低価法戻り益を計上したが、当第3四半期では在庫の評価損影響があり、赤字拡大となった。ケミカルセグメントの売上収益は1258億9300万円(前年同期比16.5%減)、コア営業損失73億9900万円の赤字(前年同期は17億8700万円の黒字)。