高圧ガス工業 2026年3月期第2四半期連結決算
溶解アセチレンは需要減少、売上高は前年同期を下回る
高圧ガス工業の2026年3月期第2四半期連結決算は、売上高477億9700万円(前年同期比0.5%増)、営業利益26億9400万円(同1.5%減)、経常利益32億9900万円(同9.1%増)、親会社株主に帰属する中間純利益21億0900万円(同4.5%増)だった。直近公表の通期連結業績予想と年間配当金予想に変更は無い。
セグメント別の経営成績は次のとおり。
ガス事業
売上高は350億9900万円(前年同期比0.8%増)、営業利益は31億6800万円(同5.4%増)。国内での産業ガスや設備投資の需要が減少、鉄鋼、自動車、建設などの仕向け先において需要回復が鈍く、原材料価格の高止まりが続くなど厳しい状況で推移した。シリンダーガスビジネスの持続的な成長や収益の改善を目指し、地域に密着した営業に努めた。
『溶解アセチレン』は、建設・土木関連向けが人手不足や資材高騰、熱中症対策の強化による工期の遅れ、自動車向けが生産台数の減少、造船向けが燃料転換により需要が減少し、売上高は前年同期を下回った。『その他工業ガス等』は、酸素がスポット需要の減少、LPガスが民生向け需要の減少及び供給先の充填所閉鎖の影響により減少。フルオロカーボンが自動車向け新冷媒ガスの新規獲得、アルゴンが現場工事向け及び充填所向け新規獲得、特殊ガスが新規獲得によりそれぞれ増加、炭酸は価格改定があり、売上高は前年同期を上回った。『溶接溶断関連機器』は、溶接棒の需要が減少、設備工事や工作機械は受注が減少し、売上高は前年同期を下回った。『容器』は、アセチレン、LPガス容器等の溶接容器及び水素用長尺容器の需要が減少し、売上高は前年同期を下回った。
化成品事業
売上高は109億1100万円(前年同期比1.0%増)、営業利益は甲賀工場のコスト増加もあり4億0100万円(同8.3%減)。ナフサ価格は緩やかな下落傾向にあるものの、依然として原材料価格の高止まりが続く厳しい状況で推移した。昨年新設した甲賀工場の生産体制の強化により、仕向け先への製品の安定供給に努め、また、新しい技術開発により、環境配慮型水性接着剤や高耐候性塗料など環境にやさしい製品や付加価値の高い製品づくりに努めた。
『接着剤』は、ペガール(水性接着剤)は全般的に仕向け先の需要が減少したが、塗料用・紙工用の新規獲得により増加した。シアノン(瞬間接着剤)は欧米向け高機能品が増加したものの、タイ・中国向け工業用の需要が減少。ペガロック(2液反応型接着剤)は欧米向け工業用の需要が増加した。接着剤全般の売上高は、価格改定もあり、前年同期を上回った。『塗料』は、防水用塗料は堅調に推移したが、建築用塗料の戸建塗替え需要の低迷が続き一般建築塗料が減少。エアゾール製品は工業用・化粧品用・食品用の需要が増加、防水スプレーの需要が減少した。塗料全般の売上高は、前年同期を下回った。
その他事業
売上高は17億8600万円(前年同期比6.6%減)、営業損失は3800万円の赤字(前年同期は600万円の黒字)。LSIカード関連及び食品添加物の需要が減少し前年同期を下回った。


