エア・リキード、神奈川県横須賀市のYRPに「東京イノベーションキャンパス」開設

 エア・リキード(本社:仏パリ、会長兼CEO:ブノワ・ポチエ)と日本法人の日本エア・リキードは、2019年3月28日、神奈川県横須賀市に「東京イノベーションキャンパス」を開設した。

東京イノベーションキャンパス(T.I.C)

 「東京イノベーションキャンパス」は「エネルギー転換・環境」「医療分野における変革」「デジタル化」といった現代社会が直面する課題に対してイノベーションの創造で応えることを目指すための研究施設。とりわけ、次世代の半導体やフレキシブルディスプレーの製造、エネルギー貯蔵や配給のための先端材料の開発に焦点を当てる。また、エネルギー効率の向上のため、二酸化炭素排出量を削減し、水素やバイオメタンなど新エネルギーを利用促進するためのソリューション開発を加速する。

 キャンパスへの投資額は約50百万ユーロ(約63億円)。8,000平方メートルの敷地内には8つの研究室と6つのパイロットプラットフォームがあり、200名程度の研究者や専門家などが業務に従事する。アプリケーションやビジネスモデルの開発を通じて、スタートアップを含む顧客、取引先、大学、研究機関を含めた幅広い関係者と協働しながら、課題解決のための革新的なソリューションを生み出す。ユーザーの生産プロセスを模倣したテストテクノロジーを提供できることも施設の大きな特長の一つ。

 「東京イノベーションキャンパス」の開所により、エア・リキードは仏パリ、米デラウェア、中国上海、独フランクフルトにある同様のキャンパスと合わせ、イノベーションにかかわるグローバルネットワークの構築を完結。現在世界中で総勢約4,000名の従業員が、パートナーと共同で新しい市場や価値創造する活動に直接携わっている。

 エア・リキードグループのExecutive Committeメンバー、フランソワ・アブリアル アジア・パシフィック担当は「新しい東京イノベーションキャンパスは、エア・リキードが、お客様を中心に据えたイノベーションに焦点を当てていることを明確に表明するものです。このイノベーションキャンパスは、科学的専門知識、テクノロジー、デジタルソリューションを開発する能力を組み合わせたものであり、日本の革新的なエコシステムに関するすべての領域で効率的に協働を行うことが可能になります。このキャンパスで顧客の皆様に貢献する力を高めれば、それは当社の成長にもつながります。アジアにおいても、グローバルにおいても、この業界の中で日本エア・リキードは革新的な存在です。今回の投資は日本への投資を今後も継続していくことをコミットするものです」とコメント。

 また、矢原史朗 日本エア・リキード 社長兼CEOも「今回完成した『東京イノベーションキャンパス』では日本のお客様の課題解決をお手伝いすべく、ガス関連アプリケーションプラットフォームの開発や社会課題に取り組む研究チームを配置しています。今後は産業ガスを中心に、水素エネルギーやヘルスケア、エレクトロニクス分野でのオープンイノベーションを加速してまいります。そこで生まれた日本初のイノベーションをグローバルに発信しつつ、世界の課題解決にも役に立ちたいと考えています」と話している。