帝人が水素燃料電池の販売を開始
英インテリジェント・エナジー社と販売代理契約締結
帝人株式会社(本社:大阪市北区、社長:鈴木 純)は、英国の燃料電池メーカーである Intelligent Energy Limited(本社:英国・ラフバラー市、CEO:David Woolhouse、以下「IE社」)との間で、日本における水素燃料電池の販売代理契約を締結し、水素燃料電池の販売を開始する。
パリ協定の合意以降、各国でカーボンニュートラルの実現に向けた目標が宣言されるなど、脱炭素化に向けた動きが加速しており、日本政府も「2050 年にカーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」旨の宣言を行った。こうした動きは、エネルギー分野においても加速しており、再生可能エネルギー発電や低炭素発電の開発などが注目されている。
一方、帝人は、国連が提唱する「国連グローバル・コンパクト」やSDGsに賛同しており、2020年 2 月に発表した中期経営計画 2020-2022「ALWAYS EVOLVING」においては、「環境価値ソリューション」の提供や環境負荷低減に関する長期目標を掲げ、事業や諸活動を展開している。
IE社は、水素燃料電池に関して世界で最先端の技術を有する、英国の燃料電池メーカー。会社概要は次のとおり。
- 社名: Intelligent Energy Limited
- 代表者: CEO=David Woolhouse
- 本社所在地:英国 ラフバラー市 チャーンウッドウィング・ホリウェルパーク アッシュビー通り LE113GB
- 設立: 2001年8月
- 事業内容: PEMFC(固体高分子型燃料電池)の開発・製造・販売
- URL: www.intelligent-energy.com
販売を開始する水素燃料電池は、IE社が開発した出力が 3 種類(1.2kW、2.5kW、4.0kW)のもの。1 台あたりの重量が 10~20kg と軽量で、コンパクト性に優れているため、さまざまな用途で発電装置に組み込むことが可能。また、ディーゼルエンジンに比べて静粛性能に優れ、メンテナンスがほとんど必要ないことから運用しやすく、さらに廃棄物が発生しないため土壌汚染の問題がない。
既にこの水素燃料電池の採用に向けて実証実験を行っている日本フイルコン株式会社(本社:東京都稲城市、社長:名倉 宏之)をはじめ、情報通信業や建設業、製造業などに向けた販売を進め、2030 年度までに売上 10 億円の達成を目指す。
帝人は、今回の契約締結を契機として、CO2排出量削減などの環境負荷低減に向けて水素燃料電池の普及を進め、長期ビジョンである「未来の社会を支える会社」を目指すとともに、SDGsの目標達成に貢献するとしている。