日本海水「海水と生体アミンを用いた CO2鉱物化法の研究開発」がNEDO採択

産学官協働で発電所、工場などから排出されるCO2の固定、資源化に向けた新技術開発を加速

 エア・ウォーターグループの日本海水と、学校法人北里研究所 北里大学海洋生命科学部、国立大学法人東京大学 大学院農学生命科学研究科、出光興産株式会社の研究グループは、NEDOの「カーボンリサイクル・次世代火力発電等技術開発/次世代火力発電技術推進事業/カーボンリサイクル技術の共通基盤技術開発」の研究開発委託事業の公募に対し、「海水と生体アミンを用いたCO2鉱物化法の研究開発」を提案し採択された。

 4者は共同で、海水中のカルシウムを利用してCO2を固定化する技術開発を進めてきた。本事業では産業技術総合研究所地質情報研究部、琉球大学農学部が再委託機関として参画する。本事業の委託期間は2022年度~2024年度。 

 本事業は、日本海水の水酸化マグネシウム製造プロセスから排出される廃海水中のカルシウムを原料として利用し、生体アミンの作用(*)を活用して、排ガス中のCO2と反応させ、炭酸カルシウムとして固定するプロセスの実用化と普及を目指した技術開発を行う。

 現在ラボレベルで確認している当該技術をスケールアップするための要素技術を確立するとともに、各プロセス開発とプロセス全体の最適化を図りながら、CO2削減効果とコスト評価のための基礎研究を行う。

 事業採択を受け、火力発電設備・発電所や石油精製の水素製造装置などから排出されるCO2の固定化に係る新たな技術を産学官の協働により開発するとともに、有価物である炭酸カルシウムの製造技術開発と炭酸カルシウムの結晶制御による高付加価値化を行い、社会実装に向けた取り組みを加速する。

(*) 特許第6044015号 空気中の二酸化炭素を用いたアルカリ土類金属炭酸塩の製造方法とその利用

参考URL

「カーボンリサイクル・次世代火力発電等技術開発/次世代火力発電技術推進事業/カーボンリサイクル技術の共通基盤技術開発」に係る実施体制の決定について

https://www.nedo.go.jp/koubo/EV3_100248.html

株式会社日本海水 会社概要

  1. 本社: 東京都千代田区神田駿河台4丁目2番5号
  2. 代表者: 代表取締役社長 西田 直裕
  3. 売上収益: 332億円(2021年3月期、連結)
  4. 事業内容: 塩事業、環境事業、食品農業事業、電力事業
  5. 従業員数: 719名(2021年3月末現在、連結)
  6. 株主: エア・ウォーター株式会社 100%