理化学研究所と共同で大陽日酸製MOCVD装置でのAlGaN 系深紫外LED 226nm の EL 発光を実証
大陽日酸は、理化学研究所の平山秀樹氏らとともに、大陽日酸製MOCVD 装置を用いて、短波長 226nm で AlGaN(窒化アルミニウムガリウム)系深紫外 LED が EL発光することを実証した。
AlGaN 系深紫外 LED は波長 220~350nm の半導体深紫外光源で、殺菌・消毒、医療分野など幅広い分野での応用が期待されている。大陽日酸製 MOCVD 装置では、有機金属原料の供給量を微細に調節することで、Al 組成を変化させ、任意の発光波長を制御出来る。
大陽日酸は、エピタキシャル成長(半導体の単結晶の基板上に新しく単結晶の薄膜を成長させること)及びデバイスプロセス技術向上による高効率化を目的として、理化学研究所の平山秀樹氏らとの共同研究を実
施してきた。
これまで発光波長 280nm 帯においては、大陽日酸製 MOCVD 装置(SR4000HT)で 4 インチ径 1 枚構成でのエピタキシャル成長を実現していたが、今回、同装置で 2 インチ径 3 枚構成でのエピタキシャル成長において、短波長 226nm の EL 発光することを実証した。
上記の技術が確立されたことで、人体への影響がほとんどないとされる波長帯(220~230nm)で発光する AlGaN 系深紫外 LED のエピタキシャル成長が可能となり、人への直接照射による殺菌・消毒、医療分野などへの応用が期待される。
大陽日酸は今後も理化学研究所との共同研究を押し進め、先進的な技術開発により MOCVD 装置の優位性を更に高めるとしている。
※【図 1】は各波長における EL 発光スペクトルを示したグラフで、286nm から短波長化していき、226nmにおいても EL 発光スペクトルが得られた(つまり光った)ことを表している。
※【図 2】は AI 組成と各波長の関係を示したグラフで、AI 組成に対して線型的に発光波長が変化していることを示す。