大陽日酸 生産効率を50%向上させたGaN(窒化ガリウム)系量産型MOCVD装置の販売開始

「UR26K-CCD」、基板自動搬送システムと一体型ドライ洗浄システムを追加

 大陽日酸は、従来機に比べ、およそ 50%の大幅な生産効率向上を実現した、GaN(窒化ガリウム)系量産型 MOCVD 装置“UR26K-CCD”の販売を開始した。量産向け装置のフラッグシップモデルとして、今後も市場動向と顧客ニーズに合わせながら、高い技術に基づくMOCVD 装置の開発・販売を推進する。

※MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)装置:原料に有機金属やガスを用いながら化合物半導体の成膜を行う装置。

「UR26K-CCD」 外観
「UR26K-CCD」 外観
8 inch Epitaxial Wafer
8 inch Epitaxial Wafer

 近年、気候変動問題の解決に向けて、国際的にカーボンニュートラル社会の実現が求められている。半導体分野においても高性能かつ高効率な次世代パワーデバイスの実用化が求められており、その材料の一つとして注目されているのが窒化ガリウム(GaN)になる。さらにポスト5Gへ向け高周波デバイスや次世代ディスプレイであるマイクロ LED においても GaN を用いた開発競争が世界的に激化している。

 大陽日酸は以前より GaN 系量産型 MOCVD 装置として“UR26K”を販売していたが、今回、自動搬送機構のアップグレードおよび装置と一体化した炉内部品の洗浄機能を付与し、大幅な生産性向上を実現した“UR26K-CCD”の販売を開始した。

 新たに追加した主な機構は「基板自動搬送システム」と「一体型ドライ洗浄システム」の2つ。これらの機構を追加したことにより、装置内の基板の受け渡しが全自動で行われる。また、炉内部品はシステム内の搬送ロボットによって別に備えられた洗浄チャンバーへ搬送され、洗浄工程を経て反応炉に戻されるため、常にクリーンな部品を用いた成膜をすることができる。さらに一連の流れにより洗浄工程中にも成膜用チャンバーを停止することなく運用できるので、生産効率が従来機に比べておよそ 50%向上するとしている。

 Si 基板を用いた GaN 成膜成長は堆積物による基板汚染や、基板が反ってしまう影響で再現性を出すのが難しいとされているが洗浄装置を一体にし、できるだけ同じ炉内環境を与えることによって、再現性の向上が見込まれ、歩留まりの向上、つまりコストオブオーナーシップの改善につながる。一方、反応炉内の構成は従来の UR26K に引き続き、大陽日酸独自の水平三層流ノズルとギア駆動による基板の自公転機構、6ゾーン抵抗ヒータを採用しており、均一な成膜が可能。

UR26K-CCD
従来と比べて合計実行時間を約50%削減

装置の概要

  • 型式 : UR26K-CCD
  • アプリケーション : パワーデバイス、高周波デバイス、マイクロ LED
  • ウェハサイズ : 6 インチ径 10 枚、8 インチ径 6 枚
  • リアクター : フェイスアップ式自公転型の基板回転機構
  • ガスノズル : 水平三層流ノズル
  • ヒータ : 6 ゾーン抵抗ヒータ
  • 原料 : TMGa、TEGa、TMAl、TMIn、NH3、Cp2Mg、SiH4
  • 成長圧力 : 13kPa~100kPa