NEDO「地域水素利活用技術開発」で国内初のブルー水素による直流電源データセンターに関する調査採択

エア・ウォーターなど3者。北海道豊富町の未利用天然資源を有効活用、温暖化対策に貢献

 一般財団法人エンジニアリング協会(以下、「エンジニアリング協会」)、応用地質株式会社、エア・ウォーターは、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が実施している「地域水素利活用技術開発」水素製造・利活用ポテンシャル調査に「地産天然ガスブルー水素化による直流電流発電データセンターに関する調査」を提案し、採択された。

 本調査は、北海道天塩郡豊富町の自噴天然ガスを水蒸気改質して生成されたブルー水素(排出されるCO2は地中貯留)を用いて燃料電池発電を行い、直流電流をデータセンター※1に供給するサプライチェーン構築を目指すもの。具体的には、水蒸気改質装置、水素貯蔵及び運搬、燃料電池、直流型データセンター、小規模 CCS 等の調査検討を行う。

 また、地方創生の観点からデジタル田園都市の実現に向けて、地産エネルギーの有効利用、デジタルインフラ整備、産業創生モデルを指向する。本調査の成果は、同じく水溶性天然ガスを生産する地区(例えば、千葉県や新潟県等)での適用を可能とするもの。

 なお、本調査の対象とする北海道豊富町は、町名の通り、豊富な天然資源、三大湿原のひとつであるサロベツ湿原を有する酪農産業の町。本調査事業の実現により温室効果ガスの排出をCO2換算で年間約11万トン削減することが可能になる。※2

※1) 5Gネットワークを活用したITデータセンターのこと。企業誘致を目的に建設を予定。町の雇用創出、地域産業の事業拡大によって経済循環活性化が期待される。

※2) 豊富町は、温泉に付随して産出される石油や天然ガス、かつて天北炭田として栄えた石炭といった豊富な天然資源に恵まれる一方、その多くは未利用であるため、地域のエネルギー供給に活用することも検討(特に天然ガス)。