高圧ガス工業 2023年3月期第2四半期連結決算
ガス事業の売上高321億1000万円(前年同期比12.6%増)、営業利益26億4100万円(同31.5%増)。溶解アセチレン・その他工業ガスの出荷量は減少
高圧ガス工業の2023年3月期第2四半期連結決算は、売上高440億2100万円(前年同期比12.2%増)、営業利益24億4300万円(同6.2%増)、経常利益29億8100万円(同13.6%増)、親会社株主に帰属する純利益19億8000万円(同4.1%減)だった。通期の連結業績予想と配当予想に変更は無い。
セグメント別経営成績
ガス事業
自動車、半導体など一部の仕向け先において、需要が回復せず、更に原材料の高騰や供給制限が続く厳しい状況で推移した。このような事業環境のなか、当事業ではシリンダーガスビジネスの持続的な成長や収益の改善を目指し、地域に密着した営業に努めた。また、カーボンニュートラル社会の実現に向け、環境負荷の低い液化アンモニアや水素ガス等の供給網整備を進めている。
『溶解アセチレン』は、建設・土木関連の現場及び造船業界向けの出荷数量が減少したものの、原材料価格の高騰による価格改定により、売上高は前年同期を上回った。『その他工業ガス等』は、全般的に出荷数量は減少したが、原材料価格の高騰による価格改定やアルゴンが現場工事及びスポット需要の獲得、エアゾールガスが新規獲得、また、LPガス等の石油系ガスでは輸入価格の高騰に伴なう販売価格の上昇によりそれぞれ増加し、売上高は前年同期を上回った。『溶接溶断関連機器』は、設備工事や工作機械等の受注が回復し、売上高は前年同期を上回った。『容器』は、消火設備装置向け容器の需要回復と原材料価格の高騰による価格改定により、売上高は前年同期を上回った。
設備賃貸の収入を加えた当事業の売上高は321億1000万円(前年同期比12.6%増加)、営業利益は26億4100万円(前年同期比31.5%増加)。
化成品事業
原材料価格の高騰や、供給制限、供給不足が続く厳しい状況で推移した。このような事業環境のなか、当事業では仕向け先への製品の安定供給に努め、また、新しい技術の開発に注力し、環境にやさしい製品や付加価値の高い製品づくりに努めた。
『接着剤』は、ペガールが木工用が減少したものの、塗料用及び紙用が新製品の開発により増加、シアノンが南米向けが減少したものの、北米向け高機能品が増加、また、韓国・東南アジア向けコンシューマー用の需要が増加、ペガロックが海外向けが中国主要都市のロックダウンの影響により需要が減少した。売上高は接着剤全般の原材料価格の高騰に伴なう価格改定もあり前年同期を上回った。
『塗料』は、建築用塗料が高機能品の「ウォ-ルバリアシリーズ」や「ビーズコートシリーズ」の伸長や塗料製品の原材料価格の高騰に伴なう価格改定もあり増加し、また、エアゾール製品は需要が回復し、売上高は前年同期を上回った。
設備賃貸の収入を加えた当事業の売上高は103億2000万円(前年同期比12.4%増加)、営業利益は度重なる原材料価格の上昇の影響を大きく受け4億8500万円(前年同期比45.6%減少)。
その他事業
LSIカード関連の需要が減少したものの食品添加物の需要が増加し、価格改定もあり前年同期を上回り、売上高は15億8900万円(前年同期比4.2%増加)、営業損失は5600万円(前年同期は600万円の営業利益)。