レゾナックHD 2023年12月期第2四半期連結決算

半導体・電子材料セグメントは、関連業界の調整で大幅減収

 レゾナック・ホールディングスの2023年12月期第2四半期連結決算は、売上高6161億2600万円(前年同期比6.1%減)、営業損益131億6500万円(前年同期は379億5100万円の営業利益)、経常損益113億5700万円(前年同期は477億0600万円の経常利益)、親会社株主に帰属する四半期純損益198億1700万円(前年同期は326億1200万円の純利益)となった。

 売上高はケミカルセグメントでは増収。石油化学における数量増(前年同四半期連結累計期間は4年に一度の大型定修を実施)、黒鉛電極における販売価格等の上昇、基礎化学品における数量増、がそれぞれ増収の要因となった。半導体・電子材料セグメントは、半導体関連業界の調整の影響により大幅な減収、モビリティ、イノベーション材料の2セグメントも減収となった。

 営業損益は、モビリティセグメントは自動車部品の数量増により増益となったが、半導体・電子材料セグメントは大幅な減益。さらに、イノベーション材料は数量の減少、ケミカルは黒鉛電極の受払差のマイナス影響等により減益だった。

 営業外損益は、前年同四半期連結累計期間に比べ金融費用の増加と為替差益の減少が見られ、全体では損失の増加となった。純損益は、優先株式への配当金支払がなくなったこと等により、198億17百万円の損失。

 通期連結業績予想を修正し、上期における増減を背景に売上高は1兆2700億円(前回予想1兆3400億円)へ下方修正、経常損益は260億円の損失(同310億円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損益は370億円の損失(同460億円の損失)へ為替差益等の改善等により上方修正した。また、配当金は未定としていたが、中間0円、期末65円に修正した。

当期の関連するセグメント別概況

【半導体・電子材料セグメント】

 半導体前工程材料および半導体後工程材料は、前年後半からの半導体市場の低迷により減収となった。デバイスソリューションは、SiCエピタキシャルウェハーが増収となったものの、HDメディアが前年第4四半期からのデータセンター向け需要低迷が継続したことにより、大幅減収。

 セグメント売上高は1533億9300万円(前年同期比30.4%減)と大幅減収となった。営業損益は、HDメディアの棚卸資産において、低価法による簿価切り下げや廃棄損を計上したこともあり、130億9800万円(前年同期は273億0900万円の営業利益)の営業損失だった。

【ケミカルセグメント】

 石油化学は前年に4年に一度の大型定修による停止があったため前年同四半期連結累計期間比で大幅な増収となるも、受払差のマイナス影響により減益となった。産業ガスを含む化学品は、原材料および燃料価格上昇に対応した価格転嫁が進み、前年同四半期連結累計期間比で増収増益。黒鉛電極は原価上昇にキャッチアップした値上げにより前年同四半期連結累計期間比で増収となるも、受払差のマイナス影響により減益だった。

 セグメント売上高は2549億2000万円(前年同期比13.5%増)、営業利益は47億6800万円(同63.6%減)の増収減益となった。