岩谷産業 2024年3月期第2四半期連結決算

産業ガス・機械事業セグメントの売上高は1268億4100万円(前年同期比189億3900万円増)、営業利益は108億5200万円(同44億5000万円増)

 岩谷産業の2024年3月期第2四半期連結決算は、売上高3942億1100万円(前年同期比4.6%減)、営業利益145億9100万円(同1.9%増)、経常利益181億8700万円(同0.7%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益120億6200万円(同4.3%減)だった。直近公表の通期連結業績予想と年間配当金の予想に変更は無い。

 水素エネルギー社会の実現に向けて、モビリティ分野の用途拡大を見据え、大阪・関西万博において国内初となる水素燃料電池船の旅客運航を行うことを決定した。また、東名高速道路の足柄サービスエリア(SA)(下り)に、高速道路のSA・パーキングエリアでは国内初となる水素ステーションを開業し、需要拡大に向けた取り組みを進めた。さらに、トーヨーカネツ株式会社と共同で大型液化水素貯槽の研究開発を行うこととなり、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成金に採択された。

 総合エネルギー事業では、LPガスの更なる安定供給に向けて、災害に強い基幹センターの整備を図るとともに、政府の補助金も活用しながら、遠隔でのガス栓の開閉や検針が可能な通信機器、自動充填設備等の導入を進め、配送合理化への取り組みを進めた。

 産業ガス・機械事業では、国内での半導体製造体制を強化する政府方針のもと、ヘリウムガスの備蓄設備に対して経済産業省からの助成金交付が決定し、日本市場でのさらなる安定供給体制の強化を進める。なお、LPガスと産業ガスの安定供給に欠かせない配送車に関して、東京都と福島県の拠点において、業界初となる燃料電池トラックによるシリンダー配送を開始し、サプライチェーンの脱炭素化に向けた取り組みを進めた。

 マテリアル事業では、価格が高騰している銅の使用量やコストの削減を目的に、銅鉄合金溶加材を用いた銅とステンレスの溶接技術を独自に開発した。空調業界の冷媒配管等で使用される銅の一部を価格安定性の高いステンレスに変更することが可能となり、今後、溶加材メーカーと共同で量産体制を構築し、市場への供給を目指す。

 セグメント別の経営成績は次のとおり。

総合エネルギー事業

 LPガス輸入価格が低位に推移したことや、気温高の影響等により減収となった。利益面においては、LPガス小売部門の収益性が改善したことに加え、ガス保安機器等が堅調に推移したものの、LPガスの市況要因(前年同期比56億7400万円のマイナス)により減益となった。売上高は1433億2900万円(同253億0600万円の減収)、11億9900万円の営業損失(前年同期は営業利益39億1000万円)。

産業ガス・機械事業

 エアセパレートガス及び水素ガスについては、半導体、電子部品業界向けを中心に販売数量が減少したが、製造コスト増加への対応に努めたことにより収益性は改善した。特殊ガスについては、飲料、化学業界向けに炭酸ガスが堅調に推移したことに加え、世界的な需給ひっ迫の中、ヘリウムの安定供給に努めた。機械設備は、パワー半導体向け設備やガス供給設備の販売が増加した。売上高は1268億4100万円(前年同期比189億3900万円の増収)、営業利益は108億5200万円(同44億5000万円の増益)。

マテリアル事業

 次世代自動車向け二次電池材料について、販売先での在庫調整の影響等により販売数量が減少し、減収となった。一方で、バイオマス燃料や飲料ボトル向けPET樹脂の販売増加に加え、海外でのミネラルサンド事業が伸長した。また、ステンレスやエアコン向けを中心とする金属加工品も堅調に推移した。売上高は1085億3700万円(前年同期比124億6400万円の減収)、営業利益は62億5900万円(同4億6800万円の増益)。

その他

 売上高は155億0300万円(前年同期比1億7600万円の減収)、営業利益は13億3500万円(同5億2400万円の増益)。