岩谷産業のマレーシア現地法人が冷媒事業会社2社を買収

フロンの輸入枠を確保、低GWP冷媒への切り替えや、マレーシア国内で初の使用済みフロン回収・再生事業も展開

　岩谷産業の 100％子会社でマレーシアの現地法人であるマレーシア岩谷会社（以下、マレーシア岩谷）は、マレーシアの冷媒事業会社であるWestech Chemicals 社と ISO Kimia 社（以下、2 社合わせて W&I 社）を買収した。

　W&I 社はマレーシアにおいて冷媒の輸入、充填、販売を行っている。冷媒ガスの中でも、フロンは地球温暖化係数（GWP）が高いガスを多く含む。国際的な規制によりマレーシアでは 2020 年～2022 年の輸入実績にもとづき、2024 年より GWP 値に換算した輸入枠が付与されるなど規制措置が講じられていくことが決定している。

　マレーシア岩谷では、W＆I 社の買収によりフロンの輸入枠を確保するとともに、GWP 値が高い冷媒から低い冷媒への切り替えや、マレーシア国内で初となる、使用済みフロンの回収・再生事業を行うなど、地球環境にも配慮した事業を展開する。

　冷媒は、エアコンや自動車の普及拡大に伴い全世界で需要が増加している。特に東南アジアにおいては、人口増加・経済成長により大きな市場拡大が予想される。現在、マレーシアは日系企業がマザー工場を構えるなど、冷媒の主要消費国となっている。

　岩谷産業はタイ、インドネシアにおいても冷媒事業を行っており、今回の W&I 社の買収を契機とし、将来的には東南アジア各国への冷媒輸出などさらなる事業拡大、および収益力強化を図る。