レゾナック・ガスプロダクツ川崎工場で液化炭酸ガス増強設備を竣工

生産能力増強3万トン/年、貯蔵能力1千トン貯槽2基を増強

 レゾナック・ガスプロダクツは、川崎工場内(所在地:神奈川県川崎市川崎区扇町7-1)の液化炭酸ガスおよびドライアイス(以下、炭酸製品)の生産能力と貯蔵能力を増強する設備工事を竣工した。生産能力の増強は、炭酸ガス液化設備の更新および能力増強により3万トン/年、貯蔵能力の増強は1千トン貯槽×2基の計2千トンとなる。

 レゾナック・ガスプロダクツでは、親会社のレゾナック川崎事業所で行っている使用済みプラスチックのケミカルリサイクル事業において発生する炭酸ガスを原料としており、今回、炭酸製品の安定供給源として一層の有効活用を進めるとともに、液化設備の増強および貯槽タンクの増設により、顧客への安定供給体制を強化する目的で能力増強を行った。

 炭酸製品は、食品加工・包装用や飲料用、低温輸送・保管用途、電子部品製造を含む工業用途など幅広い分野で使用されているが、近年、炭酸製品の原料に使用できる原料用炭酸ガス供給元の減少や操業度低下により、恒常的に需給が逼迫した状況にある。

 国内の原料用炭酸ガスの供給事情は今後も厳しい状況が予想され、レゾナック・ガスプロダクツでは、原料ガスの探索、確保に向けた取り組みを継続するとともに、今回の増強設備を含めた設備の安全かつ安定的な運転により、炭酸製品の安定供給体制のさらなる強化に努めるとしている。

日本液炭、エキヒュームS・ブンガノン・ライセントの販売を2025年3月末で終了

文化財くん蒸設備事業からも撤退

 日本液炭は、文化財くん蒸ガスのエキヒュームS、文化財施設用防虫忌避剤のブンガノン、環境管理用防カビ剤ライセントについて2025年3月31日を最終出荷日として販売を終了する。また、エキヒュームSの販売終了にともない文化財くん蒸設備事業から撤退する。

 日本液炭は1970年代から約半世紀にわたり、文化財くん蒸ガス事業を行ってきた。エキヒュームSについては、調達コストの度重なる高騰や環境配慮の観点から、将来的な文化財くん蒸ガス事業の継続は困難と判断した。ブンガノン・ライセントについても、最近の製造コストの著しい高騰により事業継続が困難と判断したとしている。販売終了にともない、ブンガノン・ライセントの付着量分析(ケミカルピース)とブンガノンの効果判定(バイオピース)についても業務を終了する。エキヒュームS・ブンガノン・ライセントのいずれも、全荷姿が対象。

 文化財くん蒸設備事業の終了では、対象となるのは日本液炭製くん蒸設備と付帯する警報器などの機材で、新規設備は対応終了、既設設備の修理・定期メンテナンスについては別途相談の上、個別対応としている。

 エキヒュームSは、酸化エチレンとHFC-134aを成分とする薬剤で文化財へ材質影響を及ぼさないことから長年の使用実績がある。ブンガノンとライセントは、炭酸ガスを希釈剤とする防虫や防カビに有効な成分を含む薬剤で、超微粒子のミストによる僅かな隙間への高い拡散性と炭酸ガスによるドライ施工が特長。

エア・ウォーター炭酸、2024年4月1日出荷分より液化炭酸ガスとドライアイスを20~30%以上値上げ

国内原料ガス源が不足、山陽小野田工場は操業停止へ

 エア・ウォーター炭酸は、2024年4月1日出荷分より液化炭酸ガスとドライアイスの価格改定を行う。改定幅は現行価格に対し、20~30%以上の値上げとなる。

 同社は電力等の製造コスト上昇を受け、2023年1月1日出荷分より10~30%の価格改定を進めてきたが、2023年以降も円安による為替変動や地政学的リスクの高まりによってエネルギーコスト・電力料金は不安定な状況にある。

 さらに、2024年3 月に西部石油(株)山口製油所の操業停止に伴い炭酸ガス原料ガス源が無くなることで、エア・ウォーター炭酸山陽小野田工場の操業が停止する。また、その他国内原料ガス源についても工場の稼働低下により不足することが予想されている。

 安定供給を図るためには、国内における輸送体制や海外からの輸入等の対応が必要となるため、調達・輸送コストが著しく増加する。エア・ウォーター炭酸では、これまでも、製造原価の低減や物流などの合理化を進めコストダウンに努めてきたが、こうした外部環境の変化に対応する供給コスト上昇要因を自助努力で吸収することは困難であり、価格改定を実施するとしている。

東京ガス、日本初となるオンサイトでの「CO2資源化サービス」を開始

ガス機器排気中のCO2を資源として活用し、炭酸塩を製造・利用

 東京ガスは、都市ガス機器利用時の排気に含まれる二酸化炭素(CO2)と水酸化物を反応させ、様々な用途で利用可能な炭酸塩*1を顧客先(オンサイト)で製造する「CO2資源化サービス」を開始する。オンサイトでCO2を資源として活用し炭酸塩を製造するサービスは日本初*2

本サービスによるカーボンリサイクルのイメージ

 東京ガスグループの法人営業機能を担う東京ガスエンジニアリングソリューションズ株式会社(社長:小西 康弘)が営業窓口となり、製品の製造プロセスで炭酸塩をオンサイト利用する工場等の産業用の顧客を中心に展開する。

 さらに、オフィスビルや商業施設等、炭酸塩のオンサイト利用が難しい顧客に向けてもサービスを展開していくことを目指し、炭酸塩を洗剤や肥料等の製品の原料として利用する等、炭酸塩の利用用途を拡大する取り組みも進める。

 東京ガスグループでは、CO2を排出している地域(まち・工場等)で製造した炭酸塩を原料とする製品(CO2リサイクル製品)を利活用するカーボンリサイクルの取り組みを推進するとしている。

東京ガス独自技術を加えてサービス化を実現

 本サービスは、カナダのCleanO2 Carbon Capture Technologies 社(以下「CleanO2」)製の二酸化炭素回収装置「CarbinX™」を使用する。「CarbinX™」の導入実績のある北米と日本では空気の湿度やガス機器の排気性状が異なる中、東京ガスの独自技術を加えることにより、日本においても排気中のCO2を吸収した炭酸塩を安定的に製造することを可能とした*3。この製造方法では、従来の製造方法と比べて、原料調達から製造までのプロセスにおけるCO2排出量が約2割削減される*4

 サービス開始にあたり、東京ガス、CleanO2、岡谷鋼機の3社で独占ライセンス契約を締結し、東京ガスが日本で唯一「CarbinX™」を用いたサービスを展開できるようになった。「CarbinX™」をCleanO2社が製造・供給、岡谷鋼機が輸入代行し、東京ガスが顧客のガス機器排気中のCO2を活用して炭酸塩を製造する。

炭酸塩の利用用途拡大に向けたCO2リサイクル製品の開発

 炭酸塩のオンサイト利用が難しい顧客に向けてもサービスを展開していくことを目指し、今回、製造した炭酸塩を原料とする洗剤や肥料を開発した。ガス機器の排気に含まれるCO2を回収・利用した洗剤、肥料の開発は日本初*2。このようなCO2リサイクル製品がCO2を排出した地域(まち、工場等)の中で利活用される「地域におけるカーボンリサイクル」も視野に、今後、CO2リサイクル製品の利用モデル構築を目指す。

(1)洗剤の開発

 ヱスケー石鹸株式会社と共同で、ガス機器排気中のCO2を吸収した炭酸塩(炭酸カリウム)を活用した「CO2リサイクル洗濯用液体せっけん」を開発した。

(2)肥料の開発

 ガス機器排気中のCO2を吸収した炭酸塩(炭酸水素カリウム)が肥料として効能があることを評価・確認し、東京ガス独自で「エコカリウム®」という名称で農林水産大臣による普通肥料の登録を受けた。

*1:炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム等
*2:東京ガス調べ
*3:お客さま先でのCO2資源化技術の開発について(2021年9月28日発表)
*4:インベントリデータベースIDEAを用いた東京ガス試算

 

大阪ガスなど5者、低温・低圧での液化CO2大量輸送技術の開発で日豪パートナーを締結

約-49℃, 7bar仕様の採用でタンクを大型化、輸送船建造費や輸送コストを大幅削減

 JX石油開発、商船三井、大阪ガスと、オーストラリアの研究機関Future Energy Exports CRC Limited(以下「FEnEx CRC」)、同国の低炭素化技術の投資機関Low Emission Technology Australia(以下「LETA」)は、低温・低圧での液化二酸化炭素(以下「CO2」)の大量輸送の技術実証と、実現可能性の検証を行うための技術開発プロジェクト契約を締結した。

 本プロジェクトにおける実験・検証・検討は、FEnEx CRC、西オーストラリア大学、カーティン大学、ソウル国立大学およびdeepC Store Pty Ltdが実施する。

1.ラボスケール(実験室レベルでの小規模検証)の実証設備(圧力容器・気化設備など)を用いて、様々な操業条件やCO2以外の混合物質の含有条件による液化CO2の状態変化と気化への影響を実験
2.実験結果をFEnEx CRCが開発を進める液化CO2の状態変化と気化に関する設計計算モデルに反映するとともに、既存の市販ソフトウェアの設計計算に基づく予測値を検証
3.ラボスケールでの実験結果を反映した設計計算モデルを実証するため、パイロットスケールでの次期プロジェクトの組成を検討
本プロジェクトの主な内容

 液化CO2輸送船の実用化にあたり、現在は主に中温・中圧(約-26℃,18bar)仕様での検討が進められているが、タンクの大型化が難しいという課題がある。低温・低圧(約-49℃, 7bar)仕様を採用することでタンクの大型化が実現し、タンク容量あたりの輸送船建造費や輸送コストを大幅に削減できることが期待されている。

 一方、低温・低圧条件下の液化CO2輸送実績は未だないため、操業上のリスクを整理し、実現への確度を高める必要がある。

 本プロジェクトでは、まず低温・低圧仕様の大型液化CO2輸送船の実用化に向けた技術成熟度の向上に取り組み、将来の低温・低圧での安全かつ高効率な液化CO2大量輸送技術の開発・実証を推進することで、CO2排出削減が困難な産業から回収されたCO2を液化・船舶輸送、遠方でのCO2有効利用やCO2地中貯留を通して、アジア太平洋地域のカーボンニュートラル実現に貢献する。

各社のコメント

JX石油開発 執行役員サステナブル事業推進部長 有賀康人氏

「当社は本技術開発プロジェクトへの参加を通じて、CO2大量輸送技術の知見を深めるとともに、日本の産業CO2の貯留候補地であるオーストラリア産官学との関係強化、本パートナー各社との海外CCS事業実現に向けた連携強化に取組んでまいります。」

商船三井 執行役員 野間康史氏

「オーストラリアの研究機関および日本企業と協力し、低温・低圧下液化CO2海上輸送の技術的・商業的成熟度を高める機会を得られたことを大変光栄に思います。本プロジェクトの成果が将来の低炭素社会実現の一助になると確信しています。」

大阪ガス 理事 ガス製造・エンジニアリング部長 幡中宣夫氏

「Daigasグループは、2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、CO2バリューチェーンの構築による循環型社会への貢献を宣言しています。経済的な液化CO2輸送には低温低圧でのCO2ハンドリングは欠かせない技術であり、本技術開発プロジェクトを通じた新しい知見に期待しています。」

FEnEx CRC  Chief Executive Officer & Managing Director Eric May 教授

「オーストラリアはCO2大量輸送技術の開発をリードする良い機会に恵まれています。同分野の技術開発を成功させることで、オーストラリアの経済効果の最大化を図ると共に、同国の脱炭素目標達成に欠かせない国際協力と連携の強化を実現する所存です。」

LETA Chief Executive Officer Mark McCallum氏

「LETAは10年以上前から低炭素化技術に投資することで世界の温室効果ガス排出削減と低炭素社会への転換を支えてまいりました。本プロジェクトへの投資を通じて、アジアの各種産業施設とオーストラリアのCO2地中貯留地を繋ぐCO2大量輸送の技術実証に貢献すると共に、長年に渡って培われたオーストラリア貿易産業における主要取引関係の更なる深化に貢献出来ることを大変光栄に思います。」

関係者概要

■JX石油開発

■商船三井

■大阪ガス

■FEnEx CRC

■LETA

エア・ウォーター、大阪・関西万博「グリーン万博」でCO2回収を実証

次世代型CO2回収装置の実証機を設置、会場内の燃焼排ガスからCO2を回収、冷却用ドライアイスとして活用するほか、メタネーションの原料として他社に供給

 エア・ウォーターは2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)「未来社会ショーケース事業出展※1」のうち、「グリーン万博」に出展し、会場内から排出されるCO2の回収実証を行うことを決定した。

 エア・ウォーターグループは、長年培ってきたガス製造・エンジニアリングやドライアイス国内トップシェアメーカーとしての知見を活かし、CO2を回収し有効利用するための技術開発に注力してきた。2022年には、低濃度(CO2濃度約10%)の燃焼排ガスからCO2を効率的に回収できる小型CO2回収・ドライアイス製造装置「ReCO2 STATION」を開発するなど、脱炭素社会実現に向けた取り組みを進めている。

 2025年大阪・関西万博において、カーボンリサイクルに関する最新技術を実装するため、「未来社会ショーケース事業出展」のうち、「グリーン万博」に出展し、次世代型のCO2回収装置の実証機を設置することを決定した。万博会場内の熱電供給システムの燃焼排ガスからCO2の回収実証を行い、回収したCO2は、会場内で、冷却用のドライアイスとして活用するほか、メタネーションの原料として他社に供給する予定。

CO2回収装置のイメージ

 今回設置する実証機は、戸田工業及び国立大学法人埼玉大学とともに、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション基金の補助事業として開発を進めているものとなる※2。エア・ウォーターでは本出展を通じて、サステナブルな会場運営に寄与するとともに、CO2回収・利用の普及を広く促進することで、脱炭素社会の推進に貢献する。

※1 未来社会ショーケース事業の概要:未来社会ショーケース事業は、大阪・関西万博のテーマである「いのち輝く未来社会」を支える技術・サービスを、2025年以降の未来を感じさせる「実証」と2025年の万博にふさわしい「実装」の形で、「未来社会の実験場」となる万博会場の整備、運営、展示、催事などに活用し、国内外の幅広い参加者や来場者に、体験として提供する事業群の総称。未来社会ショーケース事業では、6つの領域「スマートモビリティ万博」、「デジタル万博」、「バーチャル万博」、「アート万博」、「グリーン万博」、「フューチャーライフ万博」を設定し、各事業について、現在、多くの企業・団体と出展にむけた協議を進めている。

※2 2022年7月7日 ニュースリリース:戸田工業と埼玉大学が開発する新規CO2固体回収材「Na-Fe系酸化物」を使用し、工場のボイラ等から排出される高温・低圧・低濃度のCO2を効率よく分離回収するプロセスを確立するとともに、エア・ウォーターのガス製造・エンジニアリング技術を用いて、中小規模のCO2回収装置の開発の取り組み。

エア・ウォーターと東洋建設、小型 CO2回収装置でCO2固定化技術の共同実証実験

エア・ウォーター開発の「ReCO2 STATION」を使用

 東洋建設株式会社(代表取締役社長:大林東壽、以下「東洋建設」)とエア・ウォーターは、エア・ウォーターが開発した小型CO2回収装置「ReCO2 STATION」を使用して、工事現場や作業船から排出されるCO2の回収・利活用を想定した実証実験を実施した。

CO2回収実験装置(ReCO2 STATION と発電機)

 東洋建設は、陸上の工事現場のほか、海上工事で使用する作業船から排出されるCO2を回収・固定化する技術開発を進めており、早期の実装に向けてコンテナサイズのCO2回収装置を作業船上に設置することを検討している。

 小型CO2回収装置「ReCO2 STATION」は、一般的な工場から排出されたガス中の低濃度のCO2を高効率に回収するだけでなく、カーボンリサイクルの観点から液化炭酸ガスやドライアイスを製造することができる設備。

 今回、東洋建設とエア・ウォーターが陸上で実施した実証実験では、ディーゼル発電機(作業船に電源として搭載)から排出されたCO2を回収して、高純度の液化炭酸ガスおよびドライアイスを製造しセメントスラリーにCO2を固定化することに成功した。

回収したCO2(ドライアイス)をセメントスラリーに固定

 東洋建設では、2024 年度を目途に作業船への回収装置搭載を検討しており、将来的には同社が保有する作業船から発生する CO2を回収し、作業船上でセメントや地中への CO2固定量を最大化する技術の開発にも取り組む予定。作業船から排出されるCO2の回収と固定化は、地球温暖化対策のひとつとなるとともに、より持続可能な海上工事の実現に向けて重要な取り組みとなる。

「ReCO2 STATION」の作業船への実装イメージ

実証実験の内容

  • 期間:2023 年7 月
  • 場所:北海道に所在するエア・ウォーターのグループ会社の工場施設内
  • 内容:
    • ① ディーゼル発電機から排出される低濃度のCO2の回収(海上工事での運用を想定した連続運転条件下でのCO2回収量と電力消費量の検証)
    • ② 回収したCO2から製造した液化炭酸ガス及びドライアイスの品質確認(セメントスラリーへの固定量の計測)
    • ③ その他実装に向けての検証

エア・ウォーターの『ReCO2 STATION』が「地球環境大賞」を受賞

CO2 回収からドライアイス製造までを一体化、20 フィートコンテナで移動可能

 フジサンケイグループが主催する第 31 回「地球環境大賞」において、エア・ウォーターが開発した小型 CO2回収装置 『ReCO2 STATION』が「環境大臣賞」を受賞した。授賞式は、2023 年4 月17 日に東京・元赤坂の明治記念館で開催される予定。

小型 CO2回収装置 『ReCO2 STATION』

 エア・ウォーターは、日本政府の「2050 年カーボンニュートラル宣言」を受け、脱炭素社会実現に向けた様々な取り組みが進められる中、長年培ってきたガス製造・エンジニアリング技術や炭酸ガス・ドライアイスメーカーとしての知見を活かして、CO2濃度が10%程度の排ガスからCO2を回収し、ドライアイスとして有効利用できる小型CO2回収装置「ReCO2 STATION」を開発した。

 同装置は、中小規模の一般的な工場のボイラや工業炉等の燃焼排ガスからCO2を高効率に回収することが可能であるとともに、カーボンリサイクルの観点から、ドライアイス製造機能も搭載しており、回収したCO2を原料としてドライアイスを製造する。ドライアイスは保冷・冷蔵輸送、ブラスト洗浄などで使用され、輸送業、産業、農業などといった幅広い業種、分野で利用されている。

 CO2 回収からドライアイス製造までを一体で行うのが本装置の特徴の 1 つ。また、ReCO2 STATION は、20フィートコンテナで移動することが可能なコンパクトサイズであり、高圧ガス製造保安責任者等の有資格者の選任や許認可の必要がない。

 本装置の導入を普及させるとともに、エア・ウォーターグループが保有する炭酸ガスの輸送・供給インフラを活用することで、地産地消型のCO2回収・利活用モデルを構築することが可能となり、CO2排出量削減と資源の有効活用に貢献できるとしている。

 地球環境大賞は、フジサンケイグループが主催し、1992 年(平成4 年)に「産業の発展と地球環境との共生」を目指して創設された。企業、行政、市民が一体となった顕彰制度で、公益財団法人世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン、名誉総裁・秋篠宮皇嗣殿下)の特別協力を得ている。地球温暖化の防止、循環型社会の実現に寄与する新技術・新製品の開発、環境保全活動・事業の促進、21世紀の社会システムの探求、地球環境に対する保全意識の一段の向上を目的としている。

地球環境大賞ウェブサイトhttp://www.sankei-award.jp/eco/

参考

2022 年5 月31 日付、エア・ウォーターニュースリリース

 小型 CO2回収・ドライアイス製造装置「ReCO2 STATION」の開発および木質バイオマス発電の燃焼排ガスを活用したドライアイスの事業実証について

https://www.awi.co.jp/ja/business/news/news-1045500631884026469.html

日本液炭、ナノレベルの泡を生成する炭酸ガスハイドレートの製法を確立

 日本液炭は、ナノレベル(1µm 未満)の CO₂バブルを生成する炭酸ガスハイドレートの製造方法を確立し、パイロットプラントの建設を進める。

 同社は、ナノレベルの CO₂バブルを生成する炭酸ガスハイドレート(以下「CDH™」※1)を製造することに成功した。近年注目されている微細なバブルは、従来専用の装置を用いて生成する方法が主流だった。中でもナノレベルの CO₂バブルを生成することは困難とされてきたが、日本液炭の CDH™では、水等に溶解させるだけで容易に生成することが可能となる(図1)。

図1 CDH™より発生する CO₂バブル電子顕微鏡写真

 これらの CDH™が持つ特性を用いて、スポーツや美容、医療、食品など幅広い用途での展開を目指し、研究及び開発を進めている。日本液炭によれば当該技術は特許を出願しており、その一部は権利化済み。同社では、CDH™を液化炭酸ガス・ドライアイスに続く、新たな製品形態と位置付けて、商品化に取り組んでいる。

炭酸ガスハイドレートとは

 ガスハイドレートとは、水分子がある温度・圧力環境でかご状の構造を作り、そのかごの中に気体分子が取り込まれている「包摂水和物」のことを指し(図2)、気体分子が二酸化炭素のものを炭酸ガスハイドレートと呼ぶ。炭酸ガスハイドレートは、炭酸水の約50倍以上の高濃度二酸化炭素を含む※2 氷状の固体の物質(図3)。

図2 炭酸ガスハイドレート構造模式図
図3 炭酸ガスハイドレート外観

※1 日本液炭㈱にて商標出願中
※2 炭酸水の二酸化炭素濃度を 0.5%(w/w)に対し、炭酸ガスハイドレートは約 30%(w/w)まで含有する

レゾナック・ガスプロダクツが液化炭酸ガス、ドライアイス、各種産業ガスを値上げ

2023年3月1日出荷分より、現行価格に対し20%増以上

 レゾナック・ガスプロダクツ(旧 昭和電工ガスプロダクツ)は、液化炭酸ガス・各種産業ガスの国内販売価格を、以下のとおり引き上げる。

 対象製品は液化炭酸ガス、ドライアイス、産業ガス(酸素、窒素、アルゴン、水素、ヘリウム)で、現行取引価格に対し +20%以上の値上げとなる。実施時期は2023年3月1日出荷分より。

 価格改定の背景としてレゾナック・ガスプロダクツでは、世界的なエネルギー価格高騰により電力料金、物流輸送コスト、原燃料価格などが上昇しており、今後も更に上昇傾向が続くと予想する。昨年も液化炭酸ガス、ドライアイス及び、各種産業ガス類の価格改定を実施したが、前述の諸価格の一層の上昇分を補完できていない。

 ヘリウムに関しては、世界的な供給タイト、為替円安基調の状況であり、国内の調達数量を確保するためには、海外からの原料調達コストの大幅な上昇分を受け容れざるを得ないとした。

 同社では「このような経済環境下、弊社の自助努力だけではコストの上昇分を吸収できる範囲を超えており、価格改定を決定いたしました。ご理解とご協力をよろしくお願い致します」としている。

エア・ウォーター炭酸、炭酸ガス製品を2023年1月1月から現行価格の10%~30%値上げ

2022年4月の価格改定に続き、製造コスト上昇が継続

 エア・ウォーター炭酸は2023年1月1日納入分より、液化炭酸ガスとドライアイスを値上げする。値上げ幅は現行価格の10%~30%。

 エア・ウォーター炭酸は、深刻化する原料炭酸ガス不足を補うため、既存工場への設備増強を行い、自社全国 6 工場及びグループ・協力工場(計 4 工場)からの調達に伴う拠点間輸送や海外からのドライアイス調達等のバックアップを行っている。

 このため、これらの供給に掛かる費用は年々増大していることから、2022 年 4 月出荷分より価格改定を実施した。しかし、2022 年初より原油・LNG・石炭等のエネルギー市況が高騰し、更に円安が急激に進行していること等によって、電力料金が著しく上昇、液化炭酸ガス及びドライアイスの製造コストも上昇が継続している。

 同社はこれまでも、製造・物流等の合理化を進めコストダウンに努めてきたが、電力コストの上昇を企業努力で吸収する範囲を大きく超えており、再度の価格改定を実施するとしている。

大陽日酸が微細藻類ベンチャー「株式会社アルガルバイオ」へ出資

CO2を原料とする次世代のSDGs型産業「微細藻類培養」を推進

 大陽日酸株は、株式会社アルガルバイオ(本社:千葉県柏市、代表取締役:木村 周)へ出資し、事業提携契約を締結した。両社の研究開発の促進、微細藻類の大量培養技術の確立などに尽力し、サステナブル社会への取組みを推進する。

 大陽日酸は、ガス利用を基点としたイノベーションを実現し、付加価値の高いソリューションを顧客に提供することで、新たな事業領域の探索・拡大を続けている。新たな事業領域の一つとして、CO2を原料とし、機能性食品、代替タンパク、環境改善、エネルギー、炭素固定化など次世代の SDGs 型産業となる微細藻類培養に注目する。

 アルガルバイオ社はユニークな藻類株、育種、量産培養を併せた世界屈指の技術基盤と開発環境を有する微細藻類ベンチャー。微細藻類は豊富なタンパク質やビタミン、アミノ酸を含んでおり栄養補助食品として親しまれているのみならず、窒素やリンを吸収し水質浄化にも役立てられている。藻類は CO2 を原料に有用な化合物を産生するため、カーボンニュートラル事業へと直結する可能性が大きい分野となる。

アルガルバイオ社について

 アルガルバイオ社は、「藻類の研究開発で、人々と地球の未来に貢献する」をミッションとして、藻類由来の新たなプロダクトやソリューションに最適な藻類株や培養製法などを技術提供する『バイオファウンダリー型藻類開発プラットフォーム』を構築し、『藻類』の可能性を解き
放つ研究開発を通じて、主に健康、食糧、環境といった領域の社会課題を解決する取り組みを行っている。(アルガルバイオ社ウェブサイト:https://algalbio.co.jp/

昭和電工川崎事業所が使用済みプラスチックから製造する「低炭素アンモニア」、CO2排出量80%強削減を確認

国内で唯一、第三者機関の裏付けのある環境性能に優れたアンモニア

 昭和電工は川崎事業所(神奈川県川崎市)が使用済みプラスチックを原料に製造している「低炭素アンモニア」が、化石燃料を原料にしたアンモニアと比べて、製造過程で排出されるCO2などの温室効果ガス(GHG)が80%強削減されていることを確認した。昭和電工が実施したCO2排出量計算プロセスは第三者機関(一般社団法人日本LCA推進機構:LCAF)によってISO (世界標準化機構)基準に適合していることが認められ、使用済みプラスチックを原料に製造している同社製の低炭素アンモニアは国内で唯一、第三者機関の裏付けのある環境性能に非常に優れたアンモニアであることが確認できた。

「プラスチック資源循環」と「脱炭素」の両方に貢献する

 アンモニアは燃焼時にCO2を排出しない新時代の燃料として、また水素のエネルギーキャリアとして期待され、脱炭素社会へ向けた需要拡大が見込まれている。しかし、化石燃料を使った従来の製法では、製造過程で大量のCO2が排出されることが大きな課題となっていた。

 こうしたなか、昭和電工製の低炭素アンモニアは、使用済みプラスチックを原料とするだけでなく、製造過程でも化石燃料や化石燃料由来のエネルギーを使わないことで「CO2排出80%強削減」を実現している。循環型社会に対応し、かつ脱炭素社会への貢献が期待される環境性能の非常に優れたアンモニアであることがLCAFの裏付けにより確認された。

世界で唯一、ガス化ケミカルリサイクルプラントを長期安定運転、CO2はドライアイスや炭酸飲料に再利用

 昭和電工は、1930年に肥料の原料用として国産アンモニアの製造をスタートさせた。2003年からは、使用済みプラスチックをアンモニアなどの化学品原料にリサイクルする「プラスチックケミカルリサイクル事業」(同社では「川崎プラスチックリサイクル(KPR)」と呼称)に取り組んできた。2015年にはKPRで使用される低炭素水素を原料の一部に使用した昭和電工のアンモニアは、製造プロセスとして世界で初めてエコマークを取得し、「エコアン®(ECOANN®)」と呼んでいる。

 今回、「CO2が排出量80強%削減」が確認された環境性能に非常に優れたアンモニアとは、このKPR由来のアンモニアのことを指す。

 KPRでは、家庭や企業からゴミとして排出される使用済みプラスチックを原料に、高温でガス化し分子レベルまで分解して水素とCO2を取り出している(ガス化ケミカルリサイクル)。運転中に化石燃料をまったく使わないため、熱交換率は100%。ここで取り出された水素は主に低炭素アンモニア「エコアン®」の原料になり、一方のCO2は大気中に放出することなくグループ会社の昭和電工ガスプロダクツ株式会社においてドライアイスや炭酸飲料、医療用炭酸ガス向けの原料に使用するなど、資源循環を実現している。

 なお、ガス化ケミカルリサイクルプラントを20年近く長期にわたって安定運転しているのは、KPRが世界で唯一としている。

使用済みプラスチックリサイクル累計100万トンを達成、数々のアワードを受賞

 KPRにおけるプラスチックリサイクルの処理量は1日約200トン、年間約6万トンになり、2022年1月には累計100万トンを達成した。

 こうした取り組みは2015年から環境省の「地域循環型水素地産地消モデル実証事業」に採択され、さらに2016年の「エコマークアワード銀賞」受賞、2020年の「地球環境大賞 日本経済団体連合会会長賞」「グリーン購入大賞 大賞・経済産業大臣賞」受賞など、高く評価、期待されている。

使用済みプラスチックの化学原料リサイクル事業

化石燃料をまったく使わない使用済プラスチック由来のみを使用したアンモニア製造を目指して

川崎プラスチックリサイクルプラント(KPR)

 現在昭和電工では、使用済みプラスチック由来の低炭素水素を50%、化石燃料(都市ガス)由来の水素を50%の割合で使用してアンモニアを製造している。将来的には化石燃料をまったく使わない、使用済みプラスチック100%使用による低炭素アンモニアの製造を目指している。同社はケミカルリサイクルとプラスチック資源循環のため、世界で唯一のエコロジーな化学品を安定的に提供することにより、脱炭素社会に貢献するとしている。

日本液炭が2023年2月出荷分から液化炭酸ガスとドライアイスを値上げ

2022年2月以来1年ぶり、現行出荷価格に対し20%以上

 日本液炭は、液化炭酸ガス及びドライアイスの出荷価格を次の通り改定する。対象製品は、液化炭酸ガスとドライアイスで、2023年2月出荷分より現行出荷価格に対し20%以上の値上げを行う。

 日本液炭では、エネルギー市況高騰による電力料金の上昇や鋼材価格・各種原材料費の高騰、また原料を依存する製油所等の事業縮小による調達量減少を補完するためのコスト上昇に伴い、2022年2月出荷分より平均15%程度の価格改定を実施している。

 しかしながら、それ以降も電力料金は大幅に上昇し続けており、足下のエネルギー市況・為替動向や脱炭素の潮流からも、製造に係るユーティリティーコストは当分高止まりするものと予想。また、原料逼迫による長距離輸送の増加や物流人件費の上昇等、安定供給のためのコストは、著しい上昇を続けているとしている。

 こうした激変環境下、上昇コストの吸収は企業努力の範囲を大きく超え、従来価格の維持が困難となり改めて価格改定を決定した。同社では「高品質な製品を継続的に安定供給するために、お客様のご協力、ご理解を求めてまいります」としている。

日本液炭宇部工場が操業開始

生産能力 液化炭酸ガス200t/日、ドライアイス100t/日

 日本液炭は宇部工場を新設し、工期を分けて2022年3月より段階的に運転をすすめていたが、付帯設備を含む全てが完成し2022 年11 月30 日に竣工式を執り行い、操業を開始した。

 日本液炭は、国内の石油精製や化学プラントから副生される炭酸ガスを回収し、液化・精製して、液化炭酸ガスやドライアイスとして販売することで、環境負荷低減に貢献しているが、近年の原料ガスの大幅な減少により、製品需給が恒常的に逼迫している。

 こうした状況下、同社は山口県宇部市のUBE 株式会社から副生される炭酸ガスを原料として製品を製造する宇部工場を新設した。これにより、更なる炭酸ガスの再利用促進と製品の安定供給が確保されるとともに、ドライアイスについては、ユーザーのニーズに合わせた使用形状まで加工できる設備を備えることにより、ドライアイス事業の効率化を進める。

日本液炭株式会社 宇部工場の概要

  • 所在地:山口県宇部市藤曲2575-117
  • 生産能力: 液化炭酸ガス 200t/日、ドライアイス 100t/日
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