日本酸素HD 2023年3月期第2四半期連結決算(IFRS)

通期連結業績予想を上方修正、売上収益1兆1600億円

 日本酸素ホールディングスの2023年3月期第2四半期連結決算は、売上収益5736億9900万円(前年同期比28.2%増)、コア営業利益561億8500万円(同12.7%増)、営業利益538億7200万円(同8.2%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益351億4900万円(同2.5%増)だった。

 当該期間におけるグループの事業環境は、ウクライナ情勢の長期化などに関連した世界各地でのエネルギー価格の高騰、世界的な物価上昇、円安のさらなる進行など、先行きを見通すことが困難な厳しい事業環境となったが、セパレートガス(酸素、窒素、アルゴン)の出荷数量は、前期並みに推移した。

 為替影響は、期中平均レートが前年同期に比べ、米ドルで110円10銭から135円30銭へと25円20銭(同 22.9%増加)の円安、ユーロで131円16銭から139円14銭へと7円98銭(同 6.1%増加)の円安、豪ドルで82円33銭 から93円51銭へと11円18銭(同 13.6%増加)の円安となるなど、売上収益は全体で約397億円、コア営業利益は全体で約52億円多く表示されている。

セグメント業績(セグメント利益はコア営業利益で表示)

日本ガス事業

 産業ガス関連の売上収益は、主力製品であるセパレートガス及びLPガスにおいて出荷数量は減少したものの、コスト上昇に伴う販売価格の上昇により増収となった。また、エレクトロニクス関連での電子材料ガスの販売は堅調で増収。機器・工事では産業ガス関連、エレクトロニクス関連共に、前期に比べ増収となった。

 一方で、エネルギー価格やインフレの影響に伴う製造コスト及び物流費等の上昇が続いており、販売価格の上昇との間に時間差があることからセグメント利益は減少した。

 売上収益は、1944億0600万円(前年同期比12.2%増加)、セグメント利益は、127億2100万円(同 9.1%減少)

米国ガス事業

 産業ガス関連では、主力製品であるセパレートガスの出荷数量・売上収益共に前期並みとなったが、その他のバルク製品は販売が好調だった。また、炭酸ガスについては特にドライアイスの販売が好調。機器・工事では、溶接・溶断関連機材が前期に比べ大幅に増収となった。また、エレクトロニクス関連の販売も堅調だった。

 売上収益は、1459億6100万円(前年同期比 35.9%増加)、セグメント利益は、160億7200万円(同 14.0%増加)。円安の為替影響で売上収益は約245億円、セグメント約利益は33億円のプラス。

欧州ガス事業

 主力製品であるセパレートガスは出荷数量においては概ね前年並みとなったが、急激なエネルギー価格等のコスト上昇を価格上昇でカバーできており、これを反映して売上収益は大幅に増加した。そのほかの事業についても堅調に推移した。

 売上収益は、1363億0800万円(前年同期比43.6%増加)、セグメント利益は、159億0800万円(同 25.1%増加)。円安の為替影響で売上収益は約57億円、セグメント利益は約7億円のプラス。

アジア・オセアニアガス事業

 産業ガス関連では、主力製品であるセパレートガスの出荷数量は低調だったものの、売上収益はパッケージガス、オンサイトが好調に推移したことなどにより、増収となった。主に豪州地域での販売が多くを占めるLPガスでは、引き続き仕入れ価格の上昇による販売単価の上昇と堅調な販売数量の推移により増収だった。エレクトロニクス関連では、ガス・機器ともに好調に推移し、増収。

 売上収益は、818億0300万円(前年同期比 38.8%増加)、セグメント利益は、89億4300万円(同 34.6%増加)。円安の為替影響で売上収益は約90億円、セグメント利益は10億円のプラス。

サーモス事業

 日本では新年度以降、外出等の制限の緩和からケータイマグやスポーツボトルが堅調だったほか、フライパンなどの新製品も好調に推移し、売上収益は大幅な増収となった。海外での売上収益も概ね好調に推移した。

 売上収益は、151億6900万円(前年同期比 17.9%増加)、セグメント利益は、33 億0900万円(同 11.0%増加)。

連結業績予想などの将来予測情報

 最近の業績動向を踏まえ、2022年7月29日に公表した2023年3月期(2022年4月1日~ 2023年3月31日)の通期連結業績予想を上方修正し、売上収益1兆1600億円(前回予想からの増減額2100億円増)、コア営業利益1150億円(同80億円増)、営業利益1130億円(同80億円増)、親会社の所有者に帰属する当期利益680億円(同30億円増)とした。

 日本、米国、欧州、アジア・オセアニアの各地域のガス事業を合わせた売上収益が前回公表した予想を上回る見通しで、主に円安による為替影響及び世界各地でのエネルギー価格の高騰、インフレに伴う販売価格の大幅な上昇による。これに伴い、コア営業利益及び営業利益も前回公表した予想を上回る見通しだが、一部地域でコスト上昇と販売価格の上昇には時間差が発生している。また、今後の見通しには不確実性が伴い、世界経済の減速により顧客需要が後退する懸念があるとしている。

 サーモス事業のセグメント利益は原材料費などの上昇の影響を受けているがほぼ計画通りとなる見通し。

 当期利益及び親会社の所有者に帰属する当期利益については、支払利息や法人所得税の増加がありながらも増益となる見通し。

 なお、中間配当予想については、2022年7月29日に公表した予想(1株当たり18円)から変更はない。