エア・ウォーター北海道、札幌・桑園にオープンイノベーション推進施設「エア・ウォーターの森」を建設

北海道の地域課題の解決につながる新事業を創出。総工費50億円、2024年10月開業

 エア・ウォーターグループで、北海道での事業推進を統括するエア・ウォーター北海道株式会社(以下、エア・ウォーター北海道)は、札幌市中央区のJR桑園駅近くに、北海道の地域社会課題の解決につながる新事業の創出ならびに研究開発、情報発信を行う「エア・ウォーターの森」を建設することを決定した。2023年9月に着工し、2024年10月に開業を予定する。

「エア・ウォーターの森」完成予想イメージ

 エア・ウォーターグループは、気候変動や循環型社会に対応する「地球環境」と、人生100年時代の健康寿命延伸に貢献する「ウェルネス」という2つの成長軸を設定し、「地域の社会課題の解決を通じた新事業を創出」することで、さらなる成長を目指す。エア・ウォーター創業の地である北海道は、人口減少や高齢化、それに伴う経済活動の縮小や公共サービスの低下といった社会課題が全国に先んじて顕在化する一方、広大な土地と豊かな自然環境に恵まれるとともに、食や観光をはじめ世界に広がるブランド力を有するなど、その課題を克服し、地域を取り巻く課題を解決に導く「フロントランナー」として、世界に貢献する可能性や潜在力をもつ。

 グループは北海道各地域の課題を広く収集し、その解決に向けた取り組みを進める拠点として、オープンイノベーション推進施設「エア・ウォーターの森」を建設する。研究機関、大学、自治体、地元企業などと連携し、新たな発想と協働によって、北海道の地域課題解決に貢献するイノベーションや新しい価値を生み出す。同施設では、北海道の地域特性を踏まえ、エア・ウォーターの多様な事業・人材・技術といった経営資源を掛け合わせることで、クリーンエネルギーや農業・食品分野を中心とした新事業の創出に取り組む。

 今後もエア・ウォーターは、北海道を新事業創出の最重要エリアとして捉え、課題解決型の事業モデルをいち早く構築することで、カーボンニュートラル化や人口減少といった市場環境の変化に対応し、地域の社会課題解決とともにグループの企業価値の向上を目指す。

エア・ウォーターの森 PRサイト:https://airwater-souen.jp/

施設の特長

【ウェルネスフロア】(1階・屋上)

・北海道の気候に配慮し、冬でも地域の人が気軽に入れる公園のような住民に開かれた場を設置。屋上はルーフガーデンとなっており、緑に囲まれた憩い・くつろぎの空間をデザイン。
・各種イベントの開催に適した多目的ホールや食・農業を想起させるレストラン・カフェを設け、地域に根差した施設を目指す。

【ウェルネスフロア】(1階・屋上)
屋上から光が差し込む明るい空間イメージ

【オープンイノベーションフロア】(2階・3階)

・大学等の研究機関、スタートアップ企業等が入居する個室エリアを2階に、会議室やセミナールームを複数設けたコワーキング及びラーニングコモンズエリア(知を共有する創造的な学習空間)を3階に設置。北海道の遠方にある地方自治体のサテライトオフィスとして利用することも可能。
・館内に集う人々の交流を促すことで、お互いがもつさまざまなリソースを掛け合わせ、イノベーションの種を生み出す。社外パートナーとのコラボレーションを積極的に推進することで、社会課題解決型の新たな事業を生み出す場として活用する。

【オープンイノベーションフロア】(2階)
2階個室のイメージ
【オープンイノベーションフロア】(3階)
3階ラーニングコモンズのイメージ

【オフィスフロア】(4階)

・多様なコミュニケーションを通じて生まれたアイデアの事業化を図るため、エア・ウォーターグループのオフィスフロアを設置。従来の事業の枠組みを超えた、さまざまなバックグラウンドをもつ社員が集まる予定。
・本施設は、エア・ウォーターグループにおける北海道初の開発拠点となる。現在、北海道においては、エネルギーや農業・食品分野を中心とした新事業の創出に取り組んでおり、こうした事業に関わる技術者も駐在する予定。

【オフィスフロア】(4階)
4階オフィスのイメージ

「エア・ウォーターの森」木造建築に込めた想い

 本施設は、耐火集成材「燃エンウッド®※1を構造体として採用し、その主要材に北海道産カラマツを100%使用した4階建ての木造建築となる。

エア・ウォーターの森

 エア・ウォーターは、2022年9月に北海道と包括連携協定を締結し、道産木材の利用促進や木育の活動を進めており、道産木材を構造材等に利用し、緑豊かでシンボリックな空間を設け、市民が立ち寄り集まる施設を目指してきた。木造建築は、建材製造時のCO₂排出量が少なく、木材への炭素貯蔵という木造建材の特徴から、一般的な鉄骨構造よりもカーボンニュートラル社会への貢献度が高まる。また、当地に豊富な地下水を冷却用水やトイレ用水などの設備システムに用いる等、地域特性に応じた省エネルギー技術を積極的に採用することで、BELS認証最高位※2となる「★★★★★(星5つ)」相当の環境性能を有している。

 本建設にあたっては、木造建築物の先導的な整備事例として、国土交通省「サステナブル建築物等先導事業(木造先導型)」の採択を受けた。

燃エンウッド

※1 燃エンウッド®は、竹中工務店㈱の登録商標で、国土交通大臣より耐火構造の認定を受けた耐火集成材。
※2  BELS(「Building-Housing Energy-efficiency Labeling System」の略称)とは、建築物省エネ法第7条に基づき建築物の省エネ性能を表示する第三者認証制度の1つ。

建物概要

  • 所在地:札幌市中央区北8条西13丁目28-21
  • 面積:敷地面積5,190㎡ 延床面積8,444㎡
  • 構造:木造建築 一部鉄骨造 4階建(主要構造体に木造を使った4階建ての建物)
  • 総工費:約50億円 (土地はグループ会社が保有)
  • スケジュール:着工 2023年9月、竣工2024年10月(予定)
  • 設計・施工:株式会社竹中工務店