グリーン水素によるe-fuelとCO2船舶輸送サプライチェーン構築で日豪4社共同事業化調査の覚書

伊藤忠商事、HIF Asia Pacific Pty Ltd、JFEスチール、商船三井

 伊藤忠商事、HIF Global(本社:米国テキサス州、President & CEO:Cesar Norton、以下「HIF」)の100%子会社のHIF Asia Pacific Pty Ltd、JFEスチール、商船三井の4社は、①日本国内での二酸化炭素(CO2)の回収、②豪州への船舶輸送、③豪州における同CO2を原料とする合成燃料(e-fuel)の製造および貯蔵、ならびに④豪州からのe-fuelの輸出を含めたサプライチェーン構築に関する事業化調査を共同で実施する。

各社の役割

企業名業容役割
伊藤忠商事総合商社LCA(ライフサイクルアセスメント)※1・経済性の評価など
HIFe-fuel事業者e-fuel製造地域選定、e-fuel製造コスト試算など
JFEスチール製鉄会社CO2分離回収・液化・積み出しコスト試算など
商船三井海運会社CO2・e-fuel輸送コスト試算、船舶輸送の検討など

 e-fuelは、再生可能エネルギーから製造される水素とCO2を合成することで生成される液体燃料。原料となるCO2は、電化や水素化等だけでは脱炭素化の達成が困難となる産業などから排出されるCO2を利用する。e-fuelは輸送や貯蔵の際に、船舶やローリー、貯蔵タンクや給油所など既存のインフラを活用できる。また、e-fuel自体も既存の機器を改造・交換することなく、自動車、航空機、船舶の燃料として利用が可能であることから、e-fuelの活用は早期の脱炭素施策として期待される。

※ LCA(ライフサイクルアセスメント)とは、製品のライフサイクル全体(資源採取、原料生産、製品生産、流通・消費、廃棄・リサイクル)における環境負荷を定量的に評価する手法。

HIF Globalの会社概要

企業名HIF Global
本社所在地米国テキサス州ヒューストン
設立年2022年
代表者Cesar Norton, President & CEO
事業概要HIFはe-fuelのリーディングカンパニー。低コストの再生可能エネルギーにより生産された水素を使用し、e-fuel製造するプロジェクトを推進。
完全子会社にHIF Latam、HIF USA、HIF Asia Pacific、HIF EMEAを有する。
HIFはチリの施設で既にe-fuelを生産を開始。2024年には米国テキサス州で商業規模のe-fuel施設の建設を開始する予定。今後、豪州タスマニア州でプラント建設を予定。
URLhttps://hifglobal.com