高圧ガス工業 2024年3月期第1四半期連結決算
溶解アセチレンは造船業界向け出荷数量回復、価格改定で売上高増加
高圧ガス工業の2024年3月期第1四半期連結決算は、売上高222億5200万円(前年同期比3.4%増)、営業利益13億2500万円(同8.8%増)、経常利益17億4200万円(同8.3%増)、親会社株主に帰属する純利益12億3000万円(同17.2%増)だった。直近公表の通期連結業績予想と年間配当金予想に変更は無い。
セグメント別の経営成績は次のとおり。
ガス事業
売上高は161億6300万円(前年同期比2.6%増)、営業利益は13億2900万円(同2.0%増)。
鉄鋼、自動車、半導体、建設など仕向け先において、需要回復が鈍く、更に原材料の供給制限が続く厳しい状況で推移した。当事業ではシリンダーガスビジネスの持続的な成長や収益の改善を目指し、地域に密着した営業に努めた。
『溶解アセチレン』は、建設及び土木関連の現場向け出荷数量が減少したものの、造船業界向け出荷数量の回復と原材料の上昇による価格改定により、売上高は前年同期を上回った。
『その他工業ガス等』は、窒素が大手ユーザー向け需要の回復及び新規獲得により数量は増加した。一方、酸素が現場工事向けに、アルゴン、炭酸がプラントメーカーの生産量の減少に伴う原料出荷制限があり、また、LPガス等は需要の減少により出荷数量がそれぞれ減少した。売上高ではLPガス等が輸入価格の下落に伴う販売価格の低下により減少したが、その他各種原材料価格の上昇による価格改定を実施したことにより、前年同期を上回った。
『溶接溶断関連機器』は、設備工事や工作機械等の受注が一部回復し、売上高は前年同期を上回った。
『容器』は、一般工業用向け容器の出荷数量が減少したものの、原材料の上昇による価格改定により、売上高は前年同期を上回った。
化成品事業
売上高は50億7300万円(前年同期比1.3%増)、営業利益は2億4200万円(同5.2%増)。
原材料の供給面は安定してきたものの、依然として原材料価格の高止まりや、エネルギーコストの高騰が続く厳しい状況で推移した。仕向け先への製品の安定供給に努め、また、新しい技術の開発に注力、環境にやさしい製品や付加価値の高い製品づくりに努めた。
『接着剤』は、ペガールが粘着用が減少したものの、塗料用及び紙用が新製品の開発により増加した。シアノンが北米向けに高機能品が増加したものの、韓国・東南アジア向けコンシューマー用の需要が減少。ペガロックが海外向けは中国ロックダウン解除により中国向けが回復したものの、国内向けが住宅設備関係の需要が減少した。売上高は、接着剤全般の原材料価格の高騰に伴なう価格改定もあり、前年同期を上回った。
『塗料』は、建築用塗料が高機能品の「ビーズコートシリーズ」の伸長があったものの、汎用塗料は、戸建改修の需要が減少した。また、エアゾール製品も需要が減少し、前年同期を下回った。
その他事業
売上高は10億1600万円(前年同期比34.0%増)、営業損失は500万円の赤字(前年同期は3500万円の営業損失)。
LSIカード関連及び食品添加物の需要が増加して前年同期を上回った。